【デッドライジング デラックスリマスター】
9月19日 発売予定
※パッケージ版は11月発売予定
価格: 5,990円(通常版) 6,990円(デジタル デラックスエディション) 6,589円(PS5パッケージ版)

 カプコンの初代「デッドライジング」がリファインされて帰ってきた! ゲーム内容はそのままに、ビジュアルや操作感を現代風にリファインした「デッドライジング デラックスリマスター」として9月19日より発売する。プラットフォームはプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)。

 「デッドライジング」は、2006年にカプコンが発売したXbox 360用のゾンビ撃退アクションゲーム。その後リメイク作が他機種にも展開されたほか、作品がシリーズ化。2016年に最新作「デッドライジング4」が発売されている。

 今回のデラックスリマスターでは、4K/60fps対応のほか、キャラクターもモデリングから新たに作り直し、ライティングなども再調整するなど、現代風のビジュアルに大幅にリファインされている。他にもインターフェイスの修正や操作性の再チューニングなどが施されたり、オートセーブに対応するなど、オリジナルの面白さを変えずに、ゲームプレイの快適性を向上させている。

 今回は本作「デラックスリマスター」のアップデートされたゴージャスなプレイフィールについて紹介していきたい。

 先に結論だけ書いてしまうと、エグみのある難易度は若干マイルドになり、オートセーブ対応でかなり遊びやすくなっている。現代のアクションゲームとして見ても違和感のない良作であり、「デッドラ」未プレイの人でも楽しめるゾンビゲーに仕上がっている。

【『デッドライジング デラックスリマスター』ストーリートレーラー】

インターフェイスやビジュアルなど各所がリファインされた「デッドライジング デラックスリマスター」

今回も大量のゾンビたちに囲まれて逃げ惑ったり、バトルする事になる

イカれた野郎、サイコパスたちも元気に登場!

無限に湧くゾンビたちから逃げまくれ!回避、時々壮絶バトルのゾンビゲー

 まず、本作の大まかな流れとポイントを改めて紹介しておきたい。「デッドライジング」の舞台は、コロラド州、ウィラメッテのショッピングモール。フリージャーナリストのフランク・ウエストは、この街に起きたゾンビ大量発生事件のスクープを求めてやってきた本作の主人公だ。フランクはショッピングモールに自ら飛び込み、ゾンビたちをかわしながら、事件の真相に迫っていく。

 ゲームとしてはオーソドックスな三人称の3Dアクションだが、通常のジャンプや攻撃に加えて、ジャーナリストのフランクらしく写真撮影がアクションが加わる。撮影は本作の肝とも言える機能で、モール内の特定のシンボルを撮影したり、事件を撮影する事でポイントが稼げる仕組みになっている。とはいっても撮影が強要されるようなものではないため、気楽にカメラを向けて撮影できる要素だ。

 本作の主な敵はゾンビだが、こいつらは基本的に無限に湧き続ける。何度倒しても、セーブデータのロード時や、エリアを移動して戻ってきた時には再びうじゃうじゃと復活してしまう。そのため、本作のゾンビはいちいち相手にせず、ジャンプや移動で回避して進むことになるだろう。

軍の規制を逃れ、無事にウィラメッテのショッピングモールに侵入できた主人公のフランク・ウエスト

本作におけるゾンビはほぼ無限湧き。安全地帯の守衛室以外の場所は、どんなにゾンビを倒してもガンガン湧いてくる。回避して進むのが基本となるだろう

常にカメラを所持しており、すぐに構えて撮影が行なえる。テーマに沿った劇的な写真を撮ったり、黄色のPPマークの写真を撮るとたくさんのPPが獲得できる。初回プレイ時はストーリーに集中していることもあり、撮影を忘れがち

 主人公フランクの武器は、その辺に落ちている“モノ”やモール内に陳列された商品など、とにかく使えそうな物は何でも使う。わかりやすいところだと鉄パイプや木材、野球のバットといった棒状の物だが、他にもベンチや植木鉢、ボーリングの玉、ゴミ箱、レジ端末などなど、あらゆるものを武器として使って戦える点が面白い。これらアイテムにはそれぞれ耐久力が設定されており、耐久力がなくなると壊れてなくなってしまう。

 事件の真相については、関係者と会話をし、そこで発生した問題を解決することで少しずつストーリーを進めていく。問題を解決すると、「CASE FILE」と呼ばれるファイルが少しずつ埋められていき、これを全て埋める事で事件の真相が明らかになるという仕掛けだ。

 事件の真相を追うのが本筋ではあるものの、本作の最終的な目標は(ゲーム内での)72時間を生き残り、迎えのヘリコプターに搭乗して脱出する事。そのため、事件の真相を追うという本筋を追わなくても、クリアが可能だ。この点は本作のユニークなポイントの1つになっている。

Lawn Mower(芝刈り機)も持ち上げて鈍器として使うなど、とにかくある物はなんでも武器として使えるのが本作の魅力の1つ

メインミッションを進める際には、「CASE FILE」が表示され、現在の進行状況が分かるようになっている。全て埋め尽くした時には事件の真相が……と言いたいところだが、実はおおまかな事件の原因についてはかなり早い段階で明らかになる

 事件の真相を探る以外にも、本作ではショッピングモール内の生存者の確保という大事なお仕事も発生する。これについてはサブミッションのような扱いで、誰1人助けなくてもクリアは可能。移動中にモールの従業員オティスから無線で連絡が入り、モール内のどこにどんな人がいるという情報が伝達される。これをヒントに現地へ向かい、生存者を連れて守衛室まで戻る事で、救助できるという仕組み。

 普段はゆっくり動くゾンビたちを相手にしているが、こうした生存者の救助時に絡んでくるのが「サイコパス」だ。サイコパスは人間なのだが、人間と言っても事件をきっかけに平常心を失い、殺戮や破壊など、内面に秘めた異常な願望が前面に突出している。

 サイコパスたちは人間なので、ゾンビと比べて動きが素早い。また、知能があるため、武器を使用するなどの小賢しい行動を取ってくる。加えて、やたらとタフ。なので簡単にはくたばらず、激闘は必至だ。

 一方で、生存者の救出やナイスな写真撮影などを繰り返すことで、PPと呼ばれるポイントが貯まり、一定数貯めるとフランクのレベルがアップ。レベルアップでは体力アップや新たなスキル追加などの強化が行なわれる。

 つまりサイコパスなど手強い敵と対峙して何度リトライしても勝てない時は、1度レベルを上げてから再挑戦といったアプローチも可能だ。また、レベルアップ時には体力が全快になるという嬉しい要素もある。レベルアップが近い時は体力が減っていてもアイテムを使用をセーブしてもいいだろう。

本作最大の魅力の1つがイカれた人間ども、サイコパスたちだ。こちらの話は一切聞かず、大抵バトルが展開することになるのだが、ここで難易度がグンと跳ね上がる強敵たちだ

PPを一定値以上貯めるとレベルが上がり、能力の上昇やスキル取得など、とにかく何かしら強くなる。また、副次効果として、体力が全回復する。ありがたい要素の1つだ

オートセーブ対応!マーカー採用など、遊びやすさが大幅に向上

 続いては今回の「デラックスリマスター」ならではの改善ポイントなどを紹介したい。

 まず1番ありがたい改善点がマーカーの採用だ。本作では事件の真相に絡むメインのミッションと生存者を救出するサブミッションがあるが、そのいずれもマーカーが画面上に表示され、目的地までの距離などがわかるようになった。オリジナルでは画面上部に矢印型のガイドアローが表示されて行き先を指示してくれていたが、今時のゲームらしく距離も把握できることで、非常に助かる。

 メインミッションだけでなく、サブミッションにもマーカーを付けたり、自分で自由にマーカーを切り替えできる点もありがたい。ガイドは直線方向ではなく移動可能な道順で提示してくれるので、完璧ではないものの、あまり迷うことなく目的地に到達しやすくなった。

デラックスリマスターでは、ミッションの行き先がマーカー表示となり、距離なども表示されるようになった

こちらが旧バージョンのガイドアロー。画面中央上部に表示され、目的地を指し示してくれるがちょっと分かりにくい。またサブミッションについては提示できない

マーカーのオンオフについては、マップ表示時にも可能なほか、時計表示時の画面でも設定が変更できる点はありがたい

 そして同率1位くらいにありがたい改善点がオートセーブの導入だ。エリアが変更になるタイミングでオートセーブが動作するようになったのだが、これはかなり嬉しい!

 というのも、オリジナルではトイレなど、決められた場所でしかセーブが行なえず、突発的に戦闘が必要なミッションが発生した場合などに対応できなかった。そこでやられてしまうと、最後のセーブポイントに戻されてしまうという悲しい事象が多発していたからだ。また、ギリギリでミッションを攻略したのにセーブを忘れ、さらに帰る時のゾンビにやられてしまったりすると、再度ミッションに挑む必要が出てきてなかなか心が折れた。

 オートセーブの導入により、難度の高めなミッションで失敗したとしても、直近のエリア入口から再開できるのでかなり助かる。特に本作のサイコパスとの対決は全体的に難易度が高く、繰り返しのバトルが必要になることも多いため、リファインで加わった神機能だ。

 もう1つの見所は、高精細化したグラフィックスや追加カットシーンなど。オープニングには車で逃走する母子の様子が描かれるのだが、かなりリアリティがあって迫力満点だ。本作はオープニングで大量に発生したゾンビの襲撃が起き、街が悲惨な状態になっている様子が描かれるが、それを補完する形で事前にカットシーンが入るため、ウィラメッテの悲惨な現状がより伝わるようになっている。

 なお、本作では日本語音声も収録されており、吹替でストーリーが楽しめるようになっている点も魅力の1つだ。字幕でも問題ないが、サイコパスたちのイカれたセリフの数々を声優による日本語吹替で表現されるのは聴いていて非常に耳心地よく、物語をより堪能できた。

本作は巨大なショッピングモールがいくつかのエリアに分割されており、これらの移動にはロードを挟むことになるのだが、この時にオートセーブが追加になった。エリア移動以外に、サイコパスとのバトル直前などでもオートセーブしてくれるので、バトルが格段に楽になった

こちら旧バージョンのデータセーブ。トイレにいくか、守衛室奥のソファで寝るしかデータをセーブする方法がないため、急なバトル発生には対応できないし、夢中で遊んでいる時ほどセーブは忘れがち。なおデラックスリマスターでも手動セーブは同じポイントで可能だ

ホラー映画のようなカットシーンが追加になっており、ゾンビ大量発生の雰囲気がさらに伝わってくるので、これについてはシリーズ経験者も必見だ

 アイテムの操作性もかなり変化している。筆者が個人的に驚いたのがチェーンソーの挙動だ。オリジナルの時は攻撃前にチェーンソーを回転させるアクションと、実際に攻撃をした直後はチェーンソーに振り回されるような激しいアクションになっていたが、これがスムーズに敵を切り刻めるようなスマートな動作になっていた。オリジナルのアクションはリアリティが強い反面、扱いにくい武器になってしまっていたので、この変更はプレーヤーとしてはありがたい。

 また、伐採用の大ばさみがカットされるなど、武器についての見直しやチューニングが施されており、どの武器もそれ相応に使えるようになっている印象だ。またアイテムの耐久性が表示されるようになったので、耐久性が低下した武器がどれかが一目で分かるようになっており、アイテムを入れ替える際などに役に立つ。カメラについても強化されており、カメラ屋でパーツを入手することで、露出の調整などが行なえるようになった。

チェーンソーの挙動がかなり軽快になった。ちょっと軽々と振り回しすぎにも見えるが、そこはまぁ戦場カメラマンということで力もあるんでしょということで

旧バージョンのチェーンソーはオーバーすぎない?というくらいかなり激しく振り回される上に初動は起動のアクションが加わるため、タイミングが難しく、強力だが扱いにくい印象だった。ただ実際にはこうなんだろうなというリアリティも感じられた

 ゲームのシナリオや仕組みなど基本的な部分に変化はないが、時代の変化に対する変更は施されており、写真撮影時の評価ポイント「EROTICA」が削除されているほか、オリジナル日本版では表現していなかった頭部以外の分離欠損が表現されるようになっている。

 「EROTICA」については、試しにオリジナルで座り込んだ女性の生存者の写真を撮ってみると、足の辺りに「EROTICA」という評価ポイントが表示されていた。こうした評価がデラックスリマスターでは削除されており、ポイントとしてカウントされなくなっている。

 その他、両バージョンをざっくりプレイしてみた感触としては、操作が全体的に滑らかになった印象だ。特にゾンビの動きが気持ち遅くなっており、オリジナル版と比較すると、こちらを襲って来るまでにわずかながら余裕があるような印象だ。

 オリジナル版ではあっという間に食いつかれるイメージだったが、デラックスリマスターではこれが多少緩和されており、かなり回避しやすくなっている。ただし、サイコパスなど人間の敵については容赦ない相手が多いため、全く油断はできない辺りがオリジナル版の厳しい難易度を思い起こさせる。

旧バージョンでは「EROTICA」という写真の評価ポイントがあり、座り込んでいる女性を撮影すると、足の部分が「EROTICA」としてPPポイントが稼げる仕組みになっていたが、本作ではこの辺りは削除となっている

ゾンビに掴まった時の振りほどきが、旧バージョンではスティックを左右に振るアクションだったが、デラックスリマスターではボタン連打に変更になるなど、細かい調整も施されている

旧バージョンのジェシー。丸顔でやや幼い顔立ちだ

デラックスリマスターのジェシーは目の光彩なども分かるようになっており、大人の女性の雰囲気を醸し出している

旧バージョンのゾンビ集団。旧バージョンは全体的にライティングがやや強めでギラギラしたビジュアルになっている

デラックスリマスターのゾンビ集団。ライティングがソフトになり、ディティールは細かいながらも、全体的にソフトなタッチに仕上がっている

車両が最強、空き時間は車両レベル上げが面白い

 ここからは「デッドライジング デラックスリマスター」をクリアまでプレイする中で、特に面白かったポイントについても語っていこう。

 まず、生存者救助が魅力的なコンテンツだ。大量のPPも稼げるし、ユニークな生存者たちと出会えたり、愉快で個性的で猟奇的なサイコパスとのバトルが発生する場合があるなど、挑戦したくなるような面白さがある。

 生存者を救った後、守衛室まで連れ帰るのがかなり難解だったりするのだが、こちらで何でもかんでもフォローするというよりは、自分の命は自分で守らせるくらいのスタンスがほどよく誘導するポイントだと思う。

 「デッドラ」世界をより深く楽しむなら、ぜひ全員の生存者救助を目指してほしい。本作には最後のセーブデータを使って最初からプレイできる、いわゆる「強くてニューゲーム」も用意されているので、何度もプレイして挑戦してみるのがオススメだ。

生存者救助ではサイコパスとのバトルが発生しない物も多い。時間がくると、オティスからの無線呼び出しがかかり、マーカーがセットされる

マーカーの先に向かうと、飲食店に立てこもった男が食い物を分けろとゴネてくる。何かしらの食い物を与えるとついてくるようになる

生存者に武器を渡すと戦ってくれる頼もしい一面もあるので、甘やかせすぎないのもポイントの1つだ

 本作には車両として、3種類の車と1種類のバイクが登場する。これらがゾンビ退治にはかなり強力な上に、めちゃくちゃ面白いので、是非遊んでみてほしい要素の1つだ。駐車場は少し離れた場所にあるため、初見時は分かりにくいが、もし車両に乗ることができたら、ブレーキなしの全速力でゾンビたちにガンガン衝突してぶっ潰してみてほしい。これが気分爽快でとてもストレス発散になるのだ。例えるのが難しいが、プチプチ(気泡緩衝材)をまとめて潰すような爽快感と言えばいいだろうか。

 加えてゾンビ撃退数がガンガン増えていき、PP稼ぎにもなるので、時間に余裕がある時はレベル上げの一環として試してみるのもオススメだ。実際にレベル1でゲームを開始した直後、最初のミッションに向かう前に車両でレベル上げできるか試してみたところ、これが見事に成功。レベルを上げた状態で最初のミッションに挑むことができた。

 本作における武器などの魅力についても紹介したい。まず変わっているのは、本作で登場する銃火器はいずれもあまり強力ではないこと。通常モードの「72 HOURS MODE」では普通の銃、いわゆるハンドガンの他にもショットガン、スナイパーライフルが利用できるのだが、スナイパーライフルでヘッドショットを狙っても微妙にダメージが低い。遠距離からでもダメージが与えられるため、近距離戦闘が強力なサイコパスに対しては有効だが、用途はかなり限られる。

 どちらかというと、普通のゾンビなどと戦う場合には、比較的簡単に手に入る木材や鉄パイプがリーチも長く、ダメージも出るので最も効率よくゾンビを撃退できる武器だといえる。ダメージが高い武器はチェーンソーで、隙を見て敵に接近してガンガン攻めまくることで一気に片をつけることができるし、チェーンソー使用時のビジュアルも音もド派手で気持ちがいい。

 他にもショッピングモール内の植木鉢やベンチなどを武器として使うこともでき、こうした日常にある物を武器として使えるのはビジュアルも含めてかなりユニークだ。

 また、サイコパス相手にすぐやられてしまう場合には、回復量の高い食料であるワインやオレンジジュースを大量に持った状態でバトルに挑めば死中に活ありだ。このように、色々な武器や戦術を駆使して凶悪なサイコパス達に挑めるのも本作の面白い要素の1つと言える。

車でゾンビどもを撃退だ!車両はかなり強力でフルスピードでガンガンとゾンビたちをぶっ潰せて最高だぜヒャッハー!当然耐久値は設定されており、ある程度ぶつかるとエンジンから煙が出て、動かなくなってしまう。なお、車両で壁に激突した場合なども、フランク自体は無傷なのでガンガンアタックできる

試しにゲーム開始後、最初のメインミッション「ブラッドの援護」に向かう途中で車両に乗り込んでレベル上げをしてみたところ、あっさりレベルが6まで上げられた。このミッションではカリートとのバトルが待っているのだが、いきなりかなりの強敵なので、腕に自信がない人は車両レベリングで稼いでレベルを上げてから挑むのも手だ

強敵サイコパス、新興宗教の教祖ショーンとのバトルではスナイパーライフルで挑んだが、当てても当てても全然ダメージが減らない!とはいえ接近戦では全く歯が立たないので、2丁のスナイパーライフルによるヒットアンドアウェイ戦法でどうにか勝利できた

 初回起動時は「72 HOUR MODE」しか選択できないが、本作には他にも「OVERTIME MODE」や「∞(無限大)モード」が用意されている。

 「OVERTIME MODE」はメインの「72 HOUR MODE」の後の世界をプレイできる追加シナリオで、ここをクリアする事で真のエンディングに到達できる。また、「∞(無限大) MODE」はゲーム本編とは一切関係はなく、ひたすらゾンビや人間たちを撃退し、1分でも長く生き残ることを目標としたモードだ。なお、出現条件は推して知るべしなので、是非プレイしてみてほしい。

 余談となるが「OVERTIME MODE」では、メインの敵がゾンビではなく軍人となる。軍人たちはこちらを見つけると積極的に攻撃してくるのだが、彼らのメイン武器であるマシンガンがかなり凶悪だ。1度当たると連続ヒットになってしまうため、ガンガンと体力が削られ、反撃する間もなくやられて、一方的な戦いになってしまう。対ゾンビとは違う立ち回りが求められる点で、プレイしがいがある。

 ちなみにだが、本作のゲーム内時間は、実際の時間にすると大体24時間が2時間で経過する。72時間は6時間となるため、ポーズやメニューを極力開かなければ6~8時間で1プレイが行なえる。CASE1クリア後は空き時間をスキップする機能も使えるようになり、繰り返しのプレイがしやすくなる。1度のクリアで満足いかなければ、何度もトライして気になるところを見て回るといいだろう。

条件を満たすとメニューのNEW GAMEに「72 HOURS MODE」のほか、「OVERTIME MODE」と「∞(無限大) MODE」が登場する

「OVERTIME MODE」は本編「72 HOURS MODE」後の世界を描く。敵となるのは軍人たち……やはり、最後の敵は同じ人間だったな!ここではマシンガンが非常に重要な武器となる

「∞(無限大) MODE」は文字通り、エンドレスでどこまで生きながらえるかに挑戦するモード。本編では救助者だった人たちもここでは敵となって襲ってくるため、覚悟が必要なサバイバルモードだ

幅広く勧められるゾンビゲーに進化!

 「デッドライジング デラックスリマスター」は元をたどると2006年発売のゲームではあるが、ストーリーにはアメリカらしい社会問題が反映されていて、今見ても興味深く楽しめると思う。また全ての真相を知ってから改めて見直すと、色々考えさせられるような深みも出てくる。

 オリジナル版で気になったスティックガチャガチャ操作や、マーカーの分かりにくさ、手動セーブのみなどの気になる点が全て改善され、加えてビジュアルも高品質になって、日本語音声も対応するなど、今この時期に発売されるアクションゲームとして何ら違和感のない仕上がりになっている印象だ。

 ゾンビの動きについても難易度が緩めになるなど、かなり改善が感じられる。後ろを歩いていて急に噛みつかれるというよりは、初動に余裕があり、かなり回避しやすくなっている。そのため、急に動くゾンビゲーが苦手なのでやってない、と言う人もプレイしやすいだろう。

 リマスター作ということで「デッドライジング」シリーズのファンはもちろんだが、「デッドラ」未経験という人にこそオススメできるのが「デッドライジング デラックスリマスター」だ。幅広い人が楽しめる完成度になっていると思う。