ケガでプロ野球選手になる夢が閉ざされた元高校球児が、バットをゴルフクラブに持ち替えて新たな夢に挑戦しています。

三重県鈴鹿市出身の栗原涼さん(28)は、小学生の頃から野球を始め、高校時代には野球の名門校、愛知県の東邦高校へ進みました。

その後、大学に進学しプロ野球選手を目指していましたが、悲劇が襲います。「大学1年生の夏頃、疲労がたまり両手首の靭帯を損傷した。両手首の手術をしたが、半年以上のブランクがあったのでプレーの質は戻らず、大学4年生の時に野球を引退した。ケガをした時は悔しい気持ちだった」と振り返ります。

ケガの影響で閉ざされたプロ野球選手になるという夢。大学卒業後、何か別のスポーツで頑張りたいと思っていた栗原さん。母親のえつこさんの勧めでゴルフを始めました。「止まっているボールを打つのは簡単だと思ったが、思うようにうまくいかず今も苦戦している」と話します。

幼い頃から続けてきた野球がいかせると考え、現在は亀山市にあるタートルエースゴルフ倶楽部に所属し、プロゴルファーを目指して日々練習に打ち込んでいます。

プロゴルファーを目指す栗原さんの武器は、ドライバーでの飛距離。しかし、同時にそれが課題でもありました。そんな彼に新たな出会いがありました。

ドライバーの飛距離を競うドラコン競技に挑戦し、今年4月から大会にも出場しています。8月に行われた日本大会では、初出場ながらいきなり350ヤードのビックドライブを記録して、見事アマチュア部門で優勝を飾りました。「ゴルフとは違う緊張感があり、ボールがうまく置けないぐらい手が震えたり、1球にかける思いが強く緊張した」と話します。

25日からはアメリカで開催されるドラコンの世界大会ALDに出場予定で、「トップ選手のスイングを見ることは、なかなか経験できない。勝つことを目標に練習している」と意気込みます。

新たな夢に挑戦の28歳、世界の舞台での活躍に期待がかかります。