2016年、欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員会(EC)はAppleがアイルランドの税優遇措置を20年以上にわたって利用してきたことは不当であるとして、130億ユーロ(約2兆円)の追徴課税を納めるよう命じました。これに対してAppleとアイルランドは異議を申し立てていたのですが、2024年9月になって欧州司法裁判所はAppleに対して130億ユーロの追徴課税を求めるECの決定を支持する判決を下しました。この「130億ユーロ」が一体どれほど莫大な金額なのかについてまとめたサイトが公開されています。

How much is 13 billion euros?

https://howmuchis13billioneuros.com/



2022年時点の総人口が512万7000人であるアイルランドの場合、900ユーロ(約14万1000円)のタブレットを全国民に2.8台ずつ配布することが可能。小学生の場合、1人当たり25.9台を配布することができるそうです。なお、11インチiPad AirのWi-Fi+セルラー・128GBモデルがアイルランドでは899ユーロ(日本では税込12万4800円)で販売されています。



2000ユーロ(約31万4000円)のギフト券なら、全国民に1.3枚ずつ配布することが可能。



オアシスのライブチケットは1枚347ユーロ(約5万4500円)なので、アイルランドの全国民に対して7.3枚ずつ配布可能。なお、347ユーロのライブチケットを130億ユーロ分販売する場合、オアシスは収容人数8万2300人のクローク・パークで455回もライブを開催しなければいけなくなります。



33万6000ユーロ(約5280万円)の駐輪場の場合、3万8690個設置することが可能。なお、この駐輪場は1つ当たり18台の自転車を停めることができるため、69万6429台の自転車を停めることができるようになります。



アイルランド国立小児病院の建設費用は22億ユーロ(約3460億円)であるため、130億ユーロあれば5.8件同じものを建設することが可能です。



アイルランドは重大な介護を必要とする生徒を支援するために、学校に介護サポートスタッフとして特別支援アシスタントを導入しています。この特別支援アシスタントの年収は平均3万4472ユーロであるため、130億ユーロあれば特別支援アシスタントの給料37万7118年分をまかなうことが可能です。



30万ユーロ(約4700万円)の家なら4万3333軒も建てることができます。30万ユーロの家の平均居住人数は2.74人なので、人口の2.3%を収容することが可能。



なお、2023年のアイルランドの公共総支出は1025億ユーロ(約16兆円)で、130億ユーロはこの12.7%に相当します。