JALが海外空港の整備部門に「Buddycom」を採用 海外14支店に整備士と日本のサポート部門の連絡ツールとして AI連携も視野

写真拡大 (全3枚)

サイエンスアーツは、提供する「Buddycom」が、JALの整備本部で業務品質・生産性の向上を通じたEX(Employee Experience)最大化を目的として、海外支店の整備士と日本の支援担当組織間での連絡ツールとして導入されたことを発表した。
●Buddycomとは

Buddycomは、デスクレスワーカーをつなげるライブコミュニケーションプラットフォーム。インターネット通信網(4G、5G、Wi-Fi)を利用して、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールすることで、トランシーバーや無線機のように複数人と同時コミュニケーションを可能にするサービス。音声、テキストチャット、動画、位置情報(IoT)に加え、AIを利用したデジタルアシスタントでのコミュニケーションが可能。
航空、鉄道、建設、福祉施設、流通など様々な業種でのコミュニケーション手段として利用されている。
●導入前の状況・課題
JALでは、多種多様な機体を安全性・定時性を確保しながら就航するために、海外支店の整備士を日本のサポート部門から支援している。支援において従来は携帯の電話やFaceTimeなどで連絡を行っていたが、1on1の通信のため担当者同士でしか詳細が分からず、関係者には伝言するほかなかった。
このような状況では情報の即時性・正確性の面で課題があったほか、英語でコミュニケーションするに当たって母国語でない者には心理的なストレスが存在していた。
●Buddycomの利用状況・メリット
Buddycomの利用環境として、本部ではWindows PC、支店ではiPad・iPhoneを使用。特に日本のサポート部門では全世界の拠点支援を行うため、同時に16グループと接続しており、複数人でのサポートと、的確で迅速な支援を実現。
Buddycomを利用した遠隔支援では、グループ通話だけではなく、定型文・音声履歴・テキスト化・翻訳・画像・映像配信の機能も活用。Buddycomを導入したことで一度の発信で関係者全員に伝達できるようになり、情報共有のスピードが上がり対応策の検討に早く着手できるようになった。また、機材の不具合が発生した際は言葉や画像では伝えにくいため、映像で配信しながら会話することで、現場の整備士と日本のサポート部門とが正確に情報を共有し、対応することができている。
その他にも、国内外双方の心理的プレッシャーが軽減されたことは実感しており、音声やテキスト化で履歴が残ることによって、微妙な伝え間違いや再確認の工数を削減できた他、英語でのコミュニケーションが苦手であっても多数の言語が自動翻訳されることで意思疎通が楽になったとしている。
●コメント JALグループはAI連携も視野に

日本航空株式会社 整備本部 海外支店担当部長 上田 敦司氏
ALでは、品質に関する不具合件数の削減と出発遅延の最小化を目指して、Buddycomを始めとしたDXツールを導入いたしました。現在はフランクフルトやニューヨーク、ロサンゼルスなど、海外41支店中14支店で導入していますが、全拠点での導入を検討しております。
またJALグループではAIに関する研究開発を進めておりますが、今後Buddycomと連携することで、整備士が人を介さず、かつ両手を塞がずマニュアルを見られるようにするなど、活用を進めていきたいと考えております。


●Windows版Buddycomとは

PCにWindows版Buddycomをインストールすることで、スマートフォンアプリと同様に、音声通話や映像配信等をすることが可能。また、Windows版Buddycomではスマートフォンアプリと違い、複数のグループを同時に確認することが可能となっている。
Windows版Buddycomを使用し、複数のグループを同時に確認、また画像(写真・PDF)を送信することで、正確な情報共有を実現することができる。