2024年6月に開催されたWWDC24の中で、AppleはパーソナルAIの「Apple Intelligence」を発表しました。これに合わせて、AppleはApple IntelligenceでChatGPTを利用するべくOpenAIとの提携も発表しています。AppleはApple Intelligenceでサードパーティー製のチャットAIなどを利用するべく、OpenAI以外のAI企業とも協議を進めていることが指摘されており、Metaとも協議を進めていることがウォール・ストリート・ジャーナルの報道により明らかになりました。

Apple, Meta Have Discussed an AI Partnership - WSJ

https://www.wsj.com/tech/ai/apple-meta-have-discussed-an-ai-partnership-cc57437e



Apple might partner with Meta on AI | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/06/23/apple-might-partner-with-meta-on-ai/

2024年6月11日に開催された年次開発者会議・WWDC24の中で、AppleはiPhone・iPad・Macで使えるようになるパーソナルAIのApple Intelligenceを発表しました。このApple IntelligenceでAppleはOpenAIと提携し、ChatGPTの改良版をSiriに導入すると発表しています。

Appleが新たなパーソナルAIの「Apple Intelligence」を発表、OpenAIとの提携でSiriがChatGPTをサポート - GIGAZINE



ChatGPTを提供するOpenAIのように、Facebookの親会社であるMetaもAppleとAIパートナーシップを結ぶべく協議を進めているとウォール・ストリート・ジャーナルが報じました。報道によると、AppleとMetaの交渉はまだ確定しておらず、成立しない可能性もある模様。なお、ウォール・ストリート・ジャーナルが両社にコメントを求めていますが、Metaはコメントを控えており、Appleからは反応がなかったそうです。

AppleのAIに対するアプローチは、最新のAI導入を「全面的な改革や破壊の機会」と捉えるというよりは、「AIを活用した機能を既存の製品に追加する」という地道なところからスタートしています。そのため、記事作成時点のApple Intelligenceをテクノロジーメディア・TechCrunchのサラ・ペレス氏は「少々退屈で実用的であるように思われる」と評しています。

AppleがMetaとAI関連のパートナーシップを結ぶことに成功すれば、AppleはOpenAIへの依存度を下げることができ、Metaは自社の生成AI技術の有効性を証明する絶好の機会を得ることとなります。なお、ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によるとAppleはMetaとの提携に費用を支払うつもりはなく、代わりにMetaがプレミアムサブスクリプションを販売できるようにする予定であると報じています。

なお、Apple Intelligenceの発表に際して、OpenAIの共同設立者であり記事作成時点では競合AIスタートアップのxAIを率いるイーロン・マスク氏が、「AppleがOSレベルでOpenAIを統合するならば、私の会社ではApple製デバイスを使用禁止する」とX(旧Twitter)に投稿しています。

イーロン・マスクが「AppleがChatGPTを統合するなら我が社ではAppleデバイスを使用禁止にしてゲストからも没収する」と発言しコラ画像も作成してリスクをアピール - GIGAZINE



この他、AppleはApple IntelligenceをはじめとするAI機能を、EUでは2024年中にリリースするつもりはないと発表しています。これはEUのデジタル市場法(DMA)を順守するための措置であると、Appleは説明しました。

AppleがWWDC24で発表した「Apple Intelligence」や「iPhoneミラーリング」などは2024年内はEUでリリースされない - GIGAZINE