シャノン・ナッシュ氏の見解によると、2024年は「ドローンの年」だ。

ナッシュ氏は現在、アルファベット(Alphabet)傘下のドローン配送会社ウィング(Wing)のCFOであり、大手小売店ウォルマート(Walmart)やフードデリバリー会社ドアダッシュ(DoorDash)などの企業が試験運用しているため、ひいき目に見ているのかもしれない。しかし、これを裏付けるデータもある。そのひとつとして、ウィングはダラス・フォートワース地域でウォルマートとの提携を拡大すると発表した。さらに、最近FAA(アメリカ連邦航空局)の規制が変更されたことにより、同社はほかの地域でも試験運用を行いやすくなるだろう。

ナッシュ氏はモダンリテールポッドキャストに登場し、ドローン配送の現状と今後の展望について語った。

急速に拡大するウイング



ドローン配送は新しいコンセプトではないが、今年は(2つの意味で)高く飛び立ちそうだ。現在ウィングにとって最大の市場であるオーストラリアでは、あるサイトでのドローン配送件数が1日あたり1000件近くになっている。ウィングとウォルマートが提携している米テキサス州では、この数か月間ですでに5000件の配送を行っている。

「週に2回注文する顧客もいる」とナッシュ氏は語る。しかし、ウィングのもっとも熱心な顧客は「週に3回注文する」とのことだ。同氏によると、これは消費者が「ドローン配送を非常に好意的に受け止めている」ことを意味しているという。

それでも本当に主流となるには、より多くの地域に展開し、より多くの人々にこのコンセプトに慣れてもらうしかない。それを踏まえて、ナッシュ氏は「駐車場にドローンが停まっているところを人々が通りすがりに見て『これは一体何だ?』と思わせることほど、広告やマーケティングに効果的なものはない」と話す。同様に、より広い地域で配送が可能になるよう規制が変わりはじめているため、同社は急ピッチで拡大することを計画している。

その急速な拡大とはどのようなものなのだろうか? 現在ウィングの顧客は、小売店を通してではなく同社独自のアプリで商品を購入している。しかし、将来的には小売ビジネスの延長線上に来る可能性もある。

ナッシュ氏は、ドローン配送による注文の未来がどのようになるかについて、定まった見解は持っていないという。「どうなるかは市場が決めるだろう」とのことだ。

以下はわかりやすくするために簡潔に編集された、会話のハイライトである。



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アメリカはドローン配送を歓迎している



「ダラス・フォートワース地域の2拠点で、サイトを年中無休で運営している。この4か月間ですでに5000件の配送を行った。そしてそのおかげで、使えるデータが現時点でいくらか得られている。たとえば、週に2回ほど注文する常連客がいる。また、上位25%の顧客は、週に3回ほど注文している。配送時間は平均で5分だ。ラストワンマイルの配送について調査を行ったところ、調査対象者の74%以上が、ドローン配送を非常に好意的な見解を示していた。また、顧客が主に注文していたのは、何かを準備しようとして急に必要になった商品だ」。

ウィングはいかにして自社をマーケティングしているか



「駐車場にドローンが停まっているところを人々が通りすがりに見て『これは一体何だ?』と思わせることほど、広告やマーケティングに効果的なものはない。これに勝るものはないのだ。特に休日は、子どもたちが自撮りをしに寄ってくる。ドローンはフェンスで囲まれているので、その隣で写真を撮ろうと、グリンチ(Grinch)の格好をした人が来たことも何回かある。つまり非常に人気があって、みんな見に来てくれる。だがもちろん、我々がコミュニティのなかに出向くこともある。そのために多くの時間を費やしている。テキサスといえばアメリカンフットボール一色なので、特に高校アメフトが行われることが多い金曜日の夜には、地元高校の試合を数多く見た。実際、この休日はダラスにある屋外球技場のコットンボウル(Cotton Bowl)に行き、そのコミュニティで多くの時間を過ごした」。

ドローン配送の未来はどうなるか



「どうなるかは市場が決めるだろう。本当にそう思っている。現時点で当社は、ウォルマートやドアダッシュなどのパートナーにとって可能な限り最高のパートナーになること、それが目標だと考えている。だからその質問への答えは、我々が拡大を続けること自体より、どのように拡大するか、消費者がその拡大をどのように受け止めるかによって決まると思う。なぜなら、当社の目標はパートナーを助けることだが、それは結果的にパートナーの顧客を助けることになるからだ」。

[原文:Wing CFO Shannon Nash on why 2024 is the “year of the drone”]

Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:都築成果)