北海道日本ハムファイターズが就任2年目で1年契約を結んでいた新庄剛志監督(51)に来季の契約延長オファーをするという情報が8月15日に報道された。本人も受諾する可能性が高いとされ、3年目の指揮を執ることが決定的となった。
しかし新庄監督は就任前からメディアで監督をする期限について「2年」「3年」と発言しており、長期政権にはせずに退任することをほのめかしていた。仮に来季優勝、日本一になったとしても2024年シーズンがラストイヤーになることだろう。そうなった場合、新庄監督の後釜になる2025年のファイターズの監督は誰なのか、おそらく世界最速の予想をしてみたいと思う。

順当にいけば稲葉篤紀氏か?
ファイターズの監督予想は難しい。なぜなら自球団に選手として所属したことがない人材でも積極的に招聘する傾向があり、むしろ北海道移転後はヒルマン氏、梨田昌孝氏、栗山英樹氏と外様監督ばかり。北海道移転後、選手として所属経験がある人物が監督になったのは新庄監督が初(監督代行は除く)。
それでもなんとか傾向を読もうとするならば、ファイターズは近年投手出身監督がいない。ファイターズ最後の投手出身監督は1989年〜1991年の近藤貞雄氏(監督代行は除く)。ここまで投手出身監督がいないと、たまたまではなく何らかの理由でフロントが意図的に野手出身監督を招聘しているのではないだろうか。また2軍監督から1軍監督への内部昇格も最近は行われておらず、これも球団の方針と思われる。

こう考えると、最有力はやはり現GMで外野手出身のOB、稲葉篤紀氏と思われる。GM就任後は遠征時もチームに帯同し、グラウンドで熱心に打撃指導をしている様子を見ているファンも多いはず。新庄監督と同じくチームの主力選手で人気も抜群。そして東京オリンピックで金メダルを獲得したその手腕をファイターズでも発揮してもらいたいと思っているファンも多いはずだ。

あえて稲葉篤紀氏以外の可能性を考えてみる
大本命は稲葉篤紀氏だとしても、ファイターズは良くも悪くもいろいろな意味でわからないことをする球団。田中幸雄氏、小笠原道大氏、金子誠氏、鶴岡慎也氏など指導者経験のある野手OBもいるが、あっと驚くような監督招聘があるかもしれない。そこであえてOBを考えず、稲葉篤紀氏はGMのままにして、次期監督を予想してみたい。

●古田敦也氏(2024年で59歳)
稲葉氏がGMということで、現役時代に繋がりがあり、野手出身ということで名前を挙げたいのは元ヤクルトスワローズの古田敦也氏。2024年オフに就任すれば年齢は59歳。年齢的にも現実的ではないだろうか。古田氏は2006年と2007年にプレイングマネージャーとしてヤクルトの監督経験があり、現役引退・監督退任後も様々なメディアに出演。人気や指導力も申し分ないと思われる。

●アレックス・ラミレス氏(2024年で50歳)
もう一人、球団の雰囲気に合いそうなのがベイスターズの元監督アレックス・ラミレス氏だ。ヤクルト時代に稲葉氏の同僚で優勝を経験したメンバー。稲葉氏が侍ジャパンの監督を務めていた際にはベイスターズのキャンプ地を訪れ、2人で意見交換をした姿も報道された。低迷していたベイスターズを上昇気流に乗せた手腕は今のチームにもフィットするのではないか。

●井端弘和氏(2024年で49歳)
最後に挙げたいのが元中日・巨人でプレーした井端弘和氏。ファイターズとは縁もゆかりもないが、稲葉氏とは東京オリンピックの監督・コーチとして同じユニフォームを着て戦った経験がある。
井端氏は現在、侍ジャパンU−12の監督を務めている。そこでは子どもたちに「バントを一切させない」という。これについては、「子どもたちに体が小さいからといって早い段階からホームランバッターを諦めてほしくない」と子どもたちの可能性を信じるという独自の采配を宣言している。選手を信じる、可能性を信じるというこの井端氏の信念は今のファイターズにフィットするのではないかと思う。

ということであえてOBを外して考えてみたが、OB監督が胴上げされる瞬間を見たいというファン心理もある。しかし誰が監督でも優勝してくれればそれが最高である…。

(Written by 大井川鉄朗)