GNUプロジェクトは現地時間2023年7月27日、GNU Compiler Collection(コンパイラーコレクション)の最新版となるGCC バージョン13.2をリリースした旨をメーリングリストに投稿した。バイナリーページでは、AIXやDOS(DJGPPベース)、HP-UX、macOS(Homebrew/MacPorts)、Windows(Cygwin/MinGW&mingw-w64)、UNIX(OpenPKG)向けバイナリーファイルへのリンクを用意し、国内ミラーサイトからはソースコードを入手できる。GCC バージョン13.2はOpenMPサポート体制の変更や、Solaris バージョン11.3のサポート廃止、デバッグデータ形式であるSTABS出力の削除が図られた。

GCC バージョン13.2のファイル群

GCC バージョン13.2はコードの見直しが広く図られているが、OpenMP バージョン5.2の初期サポートやリンク最適化の改善も加わった。たとえば前者はOpenMPで使用する構文の範囲を拡大し、後者はコンパイル時にモジュールを最適化するLTO(Link Time Optimization)がjobserverをサポートすることでシステムのリソース不足を抑制できる。各種変更はAda/C/C++/Fortran/GOなど開発言語に対しても行われ、利用環境のプロセッサー性能を引き出す改善も図られた。本バージョンの詳細はリリースノート、GCC バージョン13全体はChangelogの参照をお薦めする。