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高速道路」という名称の高速道路は4つしかない

 遠方へクルマで出かける際などに利用することもある高速道路ですが、「高速道路」という名称がついている道路は4路線しかないといいます。
 
 「高速道路」という名前がついている道路と、それ以外の道路との違いとはどういったものなのでしょうか。

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 高速道路といえば有料の自動車専用道路などの特徴がありますが、一般に高速道路と言われる道路は「高規格幹線道路」といい、「高速自動車国道」と「一般国道自動車専用道路」に区分されています。

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 どちらも125cc以下のバイクや原付の走行ができず、インターチェンジやサービスエリアが設置されているなど共通する部分が多くあります。

 このうち、高速自動車国道には「関越自動車道」や「中央自動車道」など路線ごとに名称がつけられていますが、「〇〇自動車道」という名称が多く採用されており、「関越道」や「中央道」という呼び方も一般的です。

 この道路名称について、「高速道路」と名前のついた道路は「東名高速道路」「名神高速道路」「新東名高速道路」「新名神高速道路」のわずか4路線しかありません。

 NEXCO西日本によればこれらは呼称(営業路線名)だといい、正式な法定路線名は、例えば東名高速道路が「高速自動車国道 第一東海自動車道」、名神高速道路は「高速自動車国道 中央自動車道西宮線」だとしています。

 法律で定められた路線名に加えて、利用者にわかりやすく親しんでもらうために愛称として「中央道」や「東名高速」などの道路名を定め、道路標識や路線図の表示に使用されているのです。

高速道路」が4路線にのみ使われた理由について、NEXCO西日本では「日本で最初の高速道路として各方面から注目されてきた中で『東名高速』『名神高速』という通称が広く使用され、一般的に定着したため、一般に最も受け入れやすい道路名称として例外的に採用した」と説明しています。

 また、新名神高速道路については「名神高速道路」の名称を活かしつつ、新しい高速道路となることから「新名神高速道路」とされました。

 ほかにも、「高速道路」という名称のつく道路に、東京都内を走る都市高速道路である「首都高速」がありますが、首都高は高規格幹線道路のうち「一般国道自動車専用道路」に区分され、法律上の「高速自動車国道」とは異なる道路です。

 高速自動車国道と自動車専用道路との違いは、主に最高速度や最低速度にあります。
東名高速などの高速自動車国道は法定最高速度100km/h、最低速度は50km/hと指定されていますが、首都高など自動車専用道路の最高速度は60km/hであり、最低速度は設定されていません。

 高速自動車国道と一般国道自動車専用道路とはジャンクションを介して繋がっていることも多く、高速道路のつもりで自動車専用道路を走行していると、スピードの出しすぎで違反になる可能性もあるため注意が必要です。

 また、高速自動車国道でも全線で最高速度が100km/hというわけではなく、登坂車線や区間などによって個別に指定されている場合があるほか、天候によって最高速度が引き下げられることがあります。

 このほか、通行料金についても高速自動車国道では新直轄方式で整備された道路で無料となっている以外は原則的に通行距離に応じて料金が加算されますが、自動車専用道路では無料の道路も多く、有料の場合でも料金は道路ごとに決められています。

※ ※ ※

 一般的に「高速道路」と呼ばれる道路のうち、正式名称に「高速道路」が含まれるのはわずか4路線しかありません。

 自動車専用の有料道路の中にも高速道路ではない「自動車専用道路」があり、高速道路とは最高速度が異なるなど違いがあるため、雑学として覚えるのだけなく、交通ルールを理解するためにも、走行中もしくは走行予定の道路が高速道路かどうかを確認してみるのもいいでしょう。