深夜まで開いているファストフード店やファミリーレストランが抱える悩みの1つに、不良やホームレスがたむろしてしまうことがあります。イギリス・ウェールズ地方のレクサム市にあるマクドナルドでは不良がたむろしないようにするため、Wi-Fiをオフにした上に、店内のBGMをベートーベンなどのクラシック音楽に切り替える対策を行っていると報じられています。

Fast food restaurant will play classical music in bid to stop more Wrexham trouble - North Wales Live

https://www.dailypost.co.uk/news/north-wales-news/fast-food-restaurant-play-classical-26083849

McDonald's starts playing classical music to soothe yobs • The Register

https://www.theregister.com/2023/01/31/mcdonalds_classical_music/

レクサム市では2023年1月25日に、若者数十人が消火器を噴射したり看板や硬貨を店員に投げつけたりするなどの暴行を働いたという事件が起こりました。若者たちは特定のファストフード店にたむろしながら、複数のグループに分かれて乱闘を行ったことがわかっており、北ウェールズ警察は再発を防止するためにパトロールを強化しています。

レクサム市警察のルーク・ヒューズ警部補は「私は事件に関する報告を受けて、全くがく然としました。何人かは逮捕し、何人かは家に連れて帰りましたが、これで問題が長期的に解決するとは思っていません」と述べています。

そこで、レクサム市にあるマクドナルドの店舗は、17時時点でフリーWi-Fiの提供をオフにし、17時以降の入店に制限を課すことを明らかにしました。



また、店内に流すBGMをベートーヴェンなどのクラシック曲に変えるという策も取られるとのこと。このBGMを変えるという手法はロンドンにあるマクドナルドでもテストされたことがあるそうで、マクドナルドは「私たちは過去にクラシック音楽をBGMにすることで客に与える影響をテストしており、より許容範囲の広い行動を促すことがわかったので、いくつかの店舗で採用しています」と述べています。

ヒューズ警部補は「有名なファストフード店が夕方17時からクラシック音楽を流すことで、地元で手に負えない不良がベートーヴェンの愛好家でない限り、いくつかの問題は阻止できるはずです」とコメントしました。

なお、地元メディアのWales Onlineは「映画『時計じかけのオレンジ』では、ベートーヴェンの交響曲第9番やエルガーの『威風堂々』などのクラシック曲がチンピラ集団による凶悪行為のBGMとなっていました」と述べ、マクドナルドの試みがうまくいくかどうかはまだわからないとしています。

A Clockwork Orange | Trailer | Warner Bros. Entertainment - YouTube