東京ヤクルトスワローズのクラスターに巻き込まれた人が抱きそうな疑問への説明をまとめていたら、「ヤクルトはようやっとる」と思った件。
会社のオジサンに説明するためにまとめます!
東京ヤクルトスワローズで大規模クラスターが発生し、1軍・2軍の公式戦が相次いで中止となっています。すでに2軍は8日のDeNA戦から13日の巨人戦までの6試合の中止を決定。追加判明の連続で10日時点で選手スタッフあわせて23人の陽性者が出た1軍は9日・10日の阪神戦を中止としました。週明け12日以降は試合を行なう意向とのことですが、プロ野球としてはかつてない規模のクラスターが1軍・2軍で発生しており、先行きは不透明です。
ヤクルトで中村・塩見ら新たに9人陽性判定、阪神戦は2日連続中止…感染計27人にhttps://t.co/hRc4YjRouU#スポーツ
- 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) July 10, 2022
本件では、個人的にも若干の影響を受けました。9日のヤクルトVS阪神戦に会社の同僚のオジサンを引率して観戦に赴く予定だったのです。目的は対戦相手の阪神のほうでしたのでヤクルトの陣容は極論どうでもよく(※村上さんくらいは見せてあげたいなぁ程度)、「巨人の2軍を呼んで試合をやってくれ」くらいの気持ちのなか無念のお流れとなりました。早い時間から楽しもうと、試合中止の報せを受ける前に電車に乗っていたオジサンが不憫であり、せめて「どういうことなのか」というのを改めて詳しく説明してあげられるよう、今回の事例についてまとめておこうと思った次第。同じような疑問を抱いている人がいたら、もしかしたら参考になるかもしれませんが、あくまで同僚のオジサン向けであることをご承知おきいただければ幸いです。
球団発表による本件時系列まとめ
まずは、球団発表と報道などから本件の時系列をまとめていきます。ここからわかるのは「一度に全員を検査しているわけではない」ということ。小出し小出しに感染状況が明らかになっている格好です。
●7月8日午後15時頃【合計2名】
・2軍に帯同していた選手2名がPCR検査で陽性判定を受ける。それぞれ発熱、喉痛など自覚症状あり。8日の2軍戦は中止に。
●7月8日18時頃
・山田哲人さんが8日の阪神戦において1軍ベンチを外れたことが明らかになる。球団からの説明は「今週は今日休むと決めていたので、どうせなら9人中継ぎを入れようと思って、哲人は外しました」とのこと。
・濱田太貴さんが8日阪神戦の1軍戦のベンチ入りメンバーとして登録される。なお、SNS上には「登録はされたがベンチにはいなかった」とする未確認情報もアリ。
●7月8日時刻不明
・山田哲人さん、濱田太貴さんが体調不良を訴える。PCR検査により陽性判定を受ける(判定時刻不明)。
●7月9日午前9時頃【合計4名】
・2軍に帯同していた選手1名、球団スタッフ1名がPCR検査で陽性判定を受けたことを発表。前日に2選手の陽性判定が出たことを受けてのスクリーニング検査によるもの。
●7月9日午前15時頃【合計18名】
・山田哲人さん、濱田太貴さんが8日に体調不良を訴え、陽性判定を受けたことを発表。
・監督1名ほか選手、スタッフ合計12名が9日に定期PCR検査を受検し、陽性判定が出たことを発表。
・9日18時開始予定の阪神戦の中止を発表。
●7月10日午前11時頃【合計24名】
・コーチ3名以下選手、スタッフ合計6名が陽性判定を受けたことを発表。9日に陽性判定を受けた監督、コーチ、選手、スタッフの結果を受け、チーム関係者に実施したスクリーニング検査にて判明。
・10日18時開始予定の阪神戦の中止を発表。
●7月10日午後14時頃【合計27名】
・コーチ1名以下選手、スタッフ合計3名が陽性判定を受けたことを発表。10日に実施したスクリーニングのPCR検査にて陽性判定。
NPB新型コロナウイルス感染予防ガイドラインのおさらい
NPBでは新型コロナウイルス感染予防に関するガイドラインを定めており、陽性判定を受けたときの対応や、試合中止の判断などについても方針がまとめられています。こちらからいくつかの関連する部分を抜粋します。
●公式戦継続の判断基準
ア)チーム関係者から陽性者が発生した場合
陽性者が発生した場合、当該チーム関係者が、発症48時間前から隔離されるまでに、1軍・2軍の行き来をしていない場合、当該チーム関係者が帯同していない1軍または2軍の試合は挙行する。当該球団は、当該チーム関係者が発症48時間前から隔離されるまでに帯同していた1軍または2軍において、当該チーム関係者と濃厚接触の疑いがあるチーム関係者を速やかに特定・隔離し1軍また2軍の試合開催を判断する(以下略)
イ)チーム関係者に濃厚接触者/体調不良者が複数発生した場合
チーム関係者に濃厚接触者/体調不良者が複数発生した場合、試合開始2時間前にチーム編成ができない状況を目安として中止を検討する(以下略)
●発症者/陽性者発生時の対応指針(対象:球団と関係者)
<感染および濃厚接触が疑われる場合の基本方針>
・球団および関係者が陽性もしくは濃厚接触者となる可能性がある場合、検査受験者は検査結果が出るまで、感染拡大予防のため、チームから即時離脱、遠征から可能な限り即時帰宅、自宅待機することを基本方針とするが、遠距離の遠征先からの帰宅等の場合、ホーム球団と相談し、ホーム球団の医療支援を仰ぎ、場合によっては現地に対応する(以下略)
・感染疑い者(発症者)や陽性者が発生した場合、球団にて行動記録を確認し、提供医療機関へ連絡の上、当該者と接触のあった者については緊急検査(スクリーニング検査)を行う。
●濃厚接触者、濃厚接触疑い・接触者の場合
※濃厚接触疑い者の抽出においては以下を目安とする。
陽性者の検体採取または発症の48時間前(2日前)にさかのぼり以下を例としたリスクの高い状況での接触があった者
・マスク非着用者または不織布以外のマスク着用者(ウレタンマスク等)のうち、陽性者と1.5m以内で15分程度以上の時間にわたりの会話をした者
・陽性者と飲食を共にした者
・移動時に長時間接触した者(車内、航空機内などを含み、国内線では周囲2m以内に搭乗したいた者、国際線では陽性者の前後2列以内の列に搭乗していた者等)
会社のオジサンから疑問に思っていそうなこととそれに対する回答
●9日の試合はできなかったのか?
9日の時点で1軍選手とスタッフに14名(うち選手11名)もの陽性判定者が出ている。この判定を受けてさらに濃厚接触者・濃厚接触疑い者を隔離し、検査することになるので、登録メンバー26名を集めることは困難だったと考える(※26名以下でも構わないが)。相手方チームを守るという点を含め、さらなる感染拡大を防ぐという意味で試合中止の判断は妥当だった。他球団も同様に試合中止をしている。
●2軍からメンバーを呼べばいいのでは?
2軍でもこの時点で4名の陽性判定者が出ており、試合中止を決めている状況だったうえに、同日の判明者もいたことで追加の検査などを要した可能性も多分にある。選手の入れ替え自体は可能であるが、1軍の陽性判定者14名と、その14名に対する濃厚接触者・濃厚接触疑い者(人数不明)の不足を補うには、ほぼ全入れ替えが必要となる状況であり、2軍の感染状況を踏まえても現実的ではない。さらなる感染拡大を防ぐという意味でも中止の判断は妥当だった。
●試合中止の判断が遅いのではないか?
試合中止の判断は「試合開始2時間前までにチーム編成ができるかどうか」が判断基準となる。9日の試合中止については、9日に実施された「定期検査」によって12名(うち選手9名)が陽性判定となったことが大きく影響しており、球団側も当日になってクラスターを認識した格好である。検査結果の受領タイミングによっては、もう数時間早く判断できる可能性はあったと思われるが、試合中止の発表は試合開始3時間前であったのでNPBガイドラインの範囲内の対応ではあった。
●10日の試合中止も当日発表だったが判断が遅いのではないか?
この点は非常に遺憾である。ヤクルト球団は8日時点で1軍選手2名に体調不良者が出ており、同日2軍でも複数名の陽性判定者が出ている。球団全体に感染が広がっていることを当然疑うべき状況であるにも関わらず、全員へのスクリーニング検査は行なわなかった。何故それがわかるかと言うと、9日発表の14名のうち12名は「定期検査」による判明であるからである。前日の山田選手、濱田選手の体調不良発症とは関係なく「定期検査」でたまたま判明したという流れであり、10日に追加で判明した陽性判定者は「9日の結果を受けてスクリーニング検査を実施した」ことで新たに判明したということである。それは即ち、8日に山田選手および濱田選手が体調不良を発症した時点では、単なる体調不良者であることから他選手へ広げてのスクリーニング検査は実施されなかったという意味であり、感染状況を低く見積もったと言われても仕方ないところである(※NPBガイドラインには沿っているので問題はない)。8日の時点で「全員検査」を決断していれば、あるいは9日の状況を見て当日中の判定を得られるように検査を手配すれば、9日ですべての結果は出て、翌10日になって追加で陽性判定者が出る形にはならなかったはずである。感染拡大状況を低く見積もったことで、9日に判断すべきことを10日に持ち越したのは球団対応として不適切であった。遠方からの観戦客の不利益を少しでも減らすため、可能な限り早く発表するという意識が求められる。遠方からの観戦客が多い阪神戦という状況を加味せず、「東京近郊からしか来ないだろう」という普段の感覚が出たのかもしれない。
●12日以降は試合をやると言っているが大丈夫か?
1軍・2軍で適切に検査が進めば可能と考える。2軍はすでに試合中止を決めており、1軍に選手をかき集める構えである。不慣れなポジションであろうが何だろうが、試合がある喜びにはかえられない。やればできる!
●試合ができないなら不戦敗にしろという声があるが?
試合があることこそが最大の喜びであり、中止(延期)で対応できるならそれが望ましい。試合がなくなれば個人記録にも悪影響を与えるし、病気は誰が悪いわけでもない。●試合ができないなら不戦敗にしろという声があるが?
●チケットの払い戻しなどの対応は大丈夫か?
払い戻しの対応は後日行われると発表されている。クレジットカードで買っているのにクレカでの返金処理ではなく「ウェルネット送金サービス」とやらに登録させられる面倒はあるが、問題はない。問題はないが面倒なので、ご自分でチケットを買われる際はスワチケはオススメしない。
●阪神はコロナ禍でも試合をやらされたのに、ヤクルトは中止になるのはズルくないか?
青柳がいない程度で大連敗するのは阪神が悪い。少数の欠員であればかき集めてやるべきであり、他球団もそうしている。今後「ちょっと出るくらいならドカンと出たほうが中止にできるな」「小出しに陽性者を増やせばずっと中止にできるな」と気づいて実践する球団が出ないかは注視する必要がある。性善説で考えるなら、高津監督とヤクルト球団はそのような手合いではない。
●山田選手がベンチ外だったのは体調不良が理由なのでは?
わからない。高津監督は予定通りの休養だったと語っている。また、体調不良が理由のベンチ外であったとしても必ずしも公表する必要はない。性善説で考えるなら、山田選手は体調不良を隠蔽したりはしないし、8日の帰宅後に自宅で体調不良を発症し、迅速に陽性判定を受けたのち、以降はしっかりと自宅で自主隔離をしているものと考える。
●濱田選手がベンチ入りしたのは不適切では?
体調不良を認識したままベンチ入りするのはもちろん不適切であるが、体調不良がどの時点で発症したかがわからないので、不適切とは限らない。また、未確認ではあるがSNS上には「ベンチにはいなかった」という情報もある。性善説で考えるならば、20時52分の試合終了後に体調不良を認識して迅速にPCR検査を受検したパターンか、試合前に体調不良を認識して安全策でベンチからは外れたものの、その時点では単なる体調不良者であったことから試合は予定通りに開催し、たまたま翌日に実施した定期検査で偶然にもクラスター化が別口で判明したという単なる偶然の一致のパターンのいずれかと考える。球界全体で取り組んでいる定期検査をルーティンではなくしっかりと取り組んできたことが、たまたまいいタイミングで定期検査が巡ってくるという運を引き寄せ、いち早いクラスターの発見につながったという意味で、むしろ「ヤクルトはようやっとる」と褒めるべき事案であると考える。
●阪神ファンの声出しが原因という声があるが?
それが原因であるなら、巨人・広島・中日・DeNAにも同様の事例が起きるはずであるし、何より阪神が大変なことになっているはずである。阪神が元気なら、関係ないと考える。
●ヤクルトのベンチでは声出しを頻繁にしており、それが原因という声があるが?
そのようなエビデンスはないものと認識している。
●ヤクルト1000はコロナに効くはずでは?
そのようなエビデンスはないものと認識している。
●次の阪神戦はいつ行けるのかね?
日程次第だが、8月の東京ドームでの巨人戦が候補と考える。ドーム内には雨も降らないし、選手も微陽性で踏み留まるチカラを持っている。
●ヤクルトは大丈夫だろうか?
ゲーム差も十分にありまったく心配はない。一日も早い回復を祈りつつ、阪神を心配すべきである。
とまぁ、オジサンが内心疑問に思っていそうなことはこれで大体カバーできたかなと思います。一番聞かれると困るのは「もう電車に乗っちゃったって言ってるのに、ラグビー観戦で満足したから今日はもう帰りますって年長者を放置して自分だけとっとと帰るのはあり得なくない?せっかくだし、どこかで一杯やりませんかくらい提案できないもの?」という質問だったりするのですが、まぁ会食は避けておりますので、ご理解いただきたいと思う次第です。そういう面倒なことを聞いてこないから引率しているという側面もありますしね!
↓「試合がある」ことが一番の喜びなので、火曜からはなるべくかき集めて試合をしてくださいね!

中止のお知らせだけはなるべく早くしてもらえると、お客としては嬉しいです!
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