携帯電話やカーナビ向け地上デジタル放送、通称「ワンセグ」のサービス開始から6月1日で2カ月たった。6割を超える認知度に比べ、首都圏での「ワンセグ」対応携帯電話の所有率は1%台、週当たりの視聴時間も30分と、前宣伝とは大きな差があることが18日、矢野研究所(本社・東京都中野区、水越孝社長)のアンケート調査で分かった。

 調査は、同社登録モニターで首都圏1都3県在住の1会員を対象に、6月14日から20日の間に実施された。

 「ワンセグ」については、「ある程度のことは知っている」(50.6%)と「詳しく知っている」(11.3%)を合わせた61.9%と、認知状況は高かった。その反面、「ワンセグ」放送に対応した携帯電話の所有率は1.5%と、首都圏であるにもかかわらず低い割合となった。対応携帯の販売開始時期が2005年12月以降で、調査時点で市場に出回っている機種が3社合わせて5機種と少ないことなどが、所有率が低い理由の一つではないか。

 対応携帯を所有している人の一週間当たりの利用日数で、最も多かったのが1−2日の39.3%で、週当たりの視聴時間は30分26秒だった。視聴時間帯は午後6時から同11時に集中しており、利用場所は自宅から会社や学校への行き帰り、乗り物の待ち時間、昼休みの休憩時間と自宅外の利用が多く見られた。

 同研究所は、「ワンセグ」のコンテンツが地デジと同一内容であることから、現状では固定テレビの補完的な役割が限界ではないかと分析している。【了】

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