核禁条約 発効1年「日本政府は批准を」 広島
核兵器の全面的な廃絶をめざす核兵器禁止条約の発効から1年。署名・批准をしていない日本政府に対し、市民は声を上げています。
核兵器禁止条約の発効から1年を迎えた1月22日、本来なら多くの被爆者らと思いを新たにするはずでしたが、感染対策のため限られた人数でアピール。
静かな中にも気持ちを込めて立ちました。
●ANT-Hiroshima 渡辺朋子理事長「私たちの声を大きくしていく。みんな世界中の人がもう核兵器はいらないと思ってもらえるような状況をつくり出したい きっとできると思う」
オンラインでは日本の核政策を採点するイベントが開かれました。
日本政府は条約を世界に広める努力してきたか。若者たちの見方は厳しかったようです。
日本政府の努力 1点/5点と採点 岡島由奈さん(高校生)「被爆者の声よりも先にアメリカの顔色をうかがっているように見える。被爆者の方々はいろんなところでもう誰にも同じ思いをさせてはならないと身を削って行動しているのに、それを踏みにじるような日本の態度はとても悲しい」
2017年、核兵器禁止条約の採択。核兵器の非人道性を訴えてきた被爆者、市民団体の願いが世界を動かした瞬間です。
サーロー節子さん「ありがたいと同時に、ごめんなさい、言葉が出てこないです」
ただ、核保有国は空席。アメリカの核の傘の下にいる日本も参加しませんでした。
去年1月、批准国が必要な50の国と地域に達し発効。
県被団協 箕牧智之理事長「サーロー節子さんは飛び上がりたいくらいうれしいと言っていたが、みんなそういう気持ち」
県被団協 佐久間邦彦 理事長「我々の願いがこれから実る最初の段階と感じた。きょうという日は忘れられない日になる」
それから1年、署名した国と地域は86まで増えました。
3月にはウイーンで締約国会議が開かれる予定ですが、被爆地選出の岸田総理は。
岸田総理「米国との信頼関係ができないうちにいきなり理想の部分に足を踏み出すオブザーバーとして参加することになると肝心の信頼関係そのものを損ねてしまい、現実が動かないことになってしまうのではないか」
国や自治体の議員と面会し政府への働きかけを求める活動を続ける若者たちは。
内藤百合子さん「総理ウイーンに行きましょうキャンペーンということで次なるアクションを開始しているところです」
特設サイトをつくり国会議員の半数がオブザーバー参加に賛成しているという結果を伝えています。
高橋悠太さん「一つ一つつながって結びついて、そこから新しい枝葉が伸びて根が広がって大きな木に成長しつつある。この木を皆さんと一緒に大きくしていきたい、これからも前に進み続けましょう」
条約発効から1年。被爆国・日本の政府に行動を求める気運は高まりつつあります。