2021年に天国へと旅立った著名人 数々の功績

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2021年、惜しまれつつも多くの著名人が天国へと旅立ちました。
その数々の功績を振り返り、紹介いたします。

■芸能人

俳優 田中邦衛さん(3月24日、88歳)
ドラマ「北の国から」や「新選組!」、ヤクザ映画「仁義なき戦い」シリーズなど、数々の作品で存在感のある役柄を演じました。
「北の国から」のシリーズでは北海道の大自然の中で子どもの成長を見守る父親を演じ、幅広い年代の視聴者をひきつけました。
山田洋次監督の映画「学校」では夜間学校に通う中年男性を熱演し、日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を受賞。
1999年には紫綬褒章、2006年には旭日小綬章を受章しています。

俳優 田村正和さん(4月3日、77歳)
父親は往年の大スター阪東妻三郎さん、兄の高廣さんと弟の亮さんも俳優という役者一家の中で育ちました。
ドラマ「古畑任三郎」シリーズでは、完全犯罪をもくろむ犯人を徐々に追い詰めていく刑事の役を演じて話題となりました。
「眠狂四郎」といった時代劇でのニヒルな剣客の役や、「うちの子にかぎって…」でのコミカルな教師役など、幅広い役柄を演じて活躍してきました。

吉本新喜劇座員 チャーリー浜さん(4月18日、78歳)
吉本新喜劇を中心にテレビCMや舞台などで活躍し、「ごめんくさい」など数々のギャグを生み出して人気を集めました。
中でも「…じゃあ〜りませんか」は1991年の「新語・流行語大賞」の年間大賞に輝きました。

俳優 千葉真一さん(8月19日、82歳)


特撮ヒーロー番組の主人公役でデビューし、ドラマや映画でスタントをこなすなど、アクション俳優としての地位を確立しました。
任侠ものや時代劇などでも活躍し、大河ドラマ「風林火山」では重みのある演技を見せました。
「サニー・チバ」の愛称で海外でも積極的に活動し、出演した映画「キル・ビル」ではアクションの指導も担当。
後進の育成にも取り組み、設立したアクション俳優の養成塾では真田広之さんや堤真一さんら多くの俳優が学びました。

芸人 前田五郎さん(10月17日、79歳)
坂田利夫さんと漫才コンビ「コメディNo.1」を結成し、坂田さんのボケに鋭くツッコむ芸風で人気を博しました。
前田さんが坂田さんを厳しくツッコむうちにシングル「アホの坂田」が大ヒットし、相方を関西で愛される「アホの代名詞」に育てました。

マジシャン パルト小石さん(10月26日、69歳)
ボナ植木さんとマジシャンコンビ「ナポレオンズ」を結成。
首が360度回転しているように見える「あったまぐるぐる」などのネタで人気を集め、「笑点」の演芸コーナーに歴代最多出演を果たしました。

声優 太田淑子さん(10月29日、89歳)
アニメ「ジャングル大帝」のレオや「ひみつのアッコちゃん」のアッコなど多くの人気キャラクターの声を演じてきました。
テレビドラマのナレーションや洋画の吹き替えも担当するなど人気声優として幅広く活躍しました。

歌舞伎俳優 中村吉右衛門さん(11月28日、77歳)
八代目松本幸四郎さんの次男として誕生し、母方の祖父・初代中村吉右衛門の養子となり、4歳で初舞台を踏みました。
のちに二代目吉右衛門を襲名し、歌舞伎界を代表する立役となりました。
2011年には人間国宝に選定され、2017年には文化功労者に選出されています。
テレビの時代劇でも活躍し、「鬼平犯科帳」の長谷川平蔵役では広く人気を博しました。

声優 八奈見乗児さん(12月3日、90歳)
「ゲゲゲの鬼太郎」の一反木綿の声や「DRAGON BALL」のナレーションなど数々のアニメ作品に出演しました。
「愛・地球博」の公式キャラクター「モリゾー」の声も担当し、幅広く親しまれました。

歌手・俳優 神田沙也加さん(12月18日、35歳)


俳優の神田正輝さんと歌手の松田聖子さんの長女で、デビュー後は舞台を中心に俳優としてのキャリアを積み、歌手や声優としても活躍し、大ヒット映画「アナと雪の女王」日本語吹き替え版では主人公・アナの声を演じました。
高い歌唱力などを生かし数々のミュージカルで主要キャストを担当し、半世紀以上にわたって日本で再演が続く人気ミュージカル「マイ・フェア・レディ」では主人公のイライザ役を務めました。

■スポーツ選手

柔道家 古賀稔彦さん(3月24日、53歳)

(1995年、世界選手権で優勝時 写真:青木紘二/アフロスポーツ)

バルセロナオリンピックでは大会直前の稽古で大けがを負った中、柔道金メダリストに輝きました。
鮮やかな背負い投げを持ち味として、「平成の三四郎」と呼ばれていました。
現役を引退したあとは日本代表のコーチや大学の総監督としてトップ選手を指導。
柔道の私塾を設立して子どもたちの指導を行うなど、普及活動にも尽力しました。

プロ野球・広島元監督 古葉竹識さん(11月12日、85歳)
広島カープや南海ホークスなどで活躍し、現役引退後は指導者に転身しました。
1975年に広島の監督に就任し、山本浩二さんや衣笠祥雄さんらを主力に育てあげ、球団史上初のリーグ優勝に導きました。
その後も1979年と1980年、1984年の3度、リーグ優勝と日本一を達成し、カープの「黄金時代」を築きました。

■文化人

脚本家 橋田壽賀子さん(4月4日、95歳)
「おしん」や「渡る世間は鬼ばかり」など数多くのテレビドラマを手がけ、「おしん」は国内のテレビドラマで歴代最高の視聴率を記録したといいます。
「渡る世間」は長寿番組となり、辛口ホームドラマの代表作として高く評価されています。
新人脚本家の育成を目的に「橋田文化財団」を設立して後進の育成にも力を注いできました。
2020年には文化勲章を受章しています。

漫画家 富永一朗さん(5月5日、96歳)
子ども向けから社会風刺の漫画まで数多くの作品を執筆し、「ポンコツおやじ」など独特の画風と軽快なせりふ回しでファンを獲得しました。
テレビ番組「お笑いマンガ道場」にもレギュラー出演して人気を集めました。
1986年に日本漫画家協会賞の大賞を受賞し、1992年に紫綬褒章、1998年には旭日小綬章を受章しています。

漫画家 三浦建太郎さん(5月6日、54歳)
代表作「ベルセルク」は30年以上にわたって漫画雑誌に連載され、アニメや映画にもなったヒット作となりました。
同作は剣士が復讐の旅を続ける様子を描いたダークファンタジーで、国内外で高い評価を受け、紙と電子を合わせたコミックスの累計発行部数は世界で5000万部を超えています。

作曲家 小林亜星さん(5月30日、88歳)
「この木なんの木」の歌いだしで知られるCMソングや「魔法使いサリー」、「ひみつのアッコちゃん」などのアニメの主題歌を手がけ、軽快な音楽で人気を集めました。
都はるみさんが歌った「北の宿から」は日本レコード大賞を受賞しています。
俳優やタレントとしても活躍し、NHKの連続テレビ小説にも出演しました。

劇画家 さいとう・たかをさん(9月24日、84歳)
登場人物や背景をリアルに描くことにこだわり、「劇画」という新ジャンルを確立しました。
寡黙なスナイパーの活躍を描いた「ゴルゴ13」は最新の国際情勢がテーマとして取り入れられ、ビジネスマンや政治家らからも大きな人気を集めました。
2021年7月には世界で最も発行巻数が多い漫画のシリーズとして「ギネス世界記録」に認定されています。
2003年には紫綬褒章を、2010年には旭日小綬章を受章しました。

作曲家 すぎやまこういちさん(9月30日、90歳)

(作曲した音楽が使用された東京五輪開会式の様子 写真:getty)

アニメの主題歌やゲーム音楽のほかグループサウンズのヒット曲も数多く手がけ、時代を彩る楽曲を次々と送り出しました。
中でも人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズでは全作品の音楽を30年以上にわたって作曲し、世代を超えて親しまれてきました。
2016年には「最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家」として、ギネス世界記録に認定。
2018年には旭日小綬章を受章し、2020年には文化功労者に選ばれました。
またドラゴンクエストのオープニングテーマは、東京2020オリンピックの開会式の選手団の入場行進でも使われました。

漫画家 白土三平さん(10月8日、89歳)
「カムイ伝」では近世日本社会の差別の問題を描き、高い評価を受けました。
少年忍者の活躍と成長を描いた「サスケ」や、「シートン動物記」を漫画化した作品で講談社児童まんが賞を受賞しています。

作家 山本文緒さん(10月13日、58歳)
1999年に「恋愛中毒」で吉川英治文学新人賞を受賞し、2001年には短編集「プラナリア」で直木賞を受賞しました。
2021年には「自転しながら公転する」が島清恋愛文学賞、中央公論文芸賞に選ばれました。

学習院大学名誉教授 川嶋辰彦さん(11月4日、81歳)
秋篠宮妃の紀子さまの父親で、経済統計学などを専門に学習院大学の教授として長年、研究や学生の指導にあたりました。
また、国土交通省の委員会の専門委員も務めていました。

占術家 細木数子さん(11月8日、83歳)
「六星占術」と呼ばれる占いを提唱し、著書「運命を読む六星占術入門」はベストセラーになりました。
タレントとしても多くのテレビ番組に出演し、占いをもとにした歯に衣着せぬ物言いが人気を博しました。
最近では各地で講演会を開いたり、インターネットの番組に出演したりしていたといいます。

作家・僧侶 瀬戸内寂聴さん(11月9日、99歳)

(写真:ロイター/アフロ)

恋愛や歴史、老いなどをテーマに数々の小説を発表し、私小説「夏の終り」では女流文学賞を受賞。
自立する新たな女性の生き方を描いて多くの女性読者から支持を受けました。
51歳のときに得度した後も執筆活動を続け、1992年には「花に問え」が谷崎潤一郎賞を受賞しました。
1997年には文化功労者に選ばれ、2006年には文化勲章を受章しています。
僧侶としては30年以上にわたり各地で法話を続け、多くの人々の悩みや苦しみに耳を傾けてきました。
安全保障関連法をめぐるデモに参加するなど、社会的な活動にも積極的に参加していました。

作詞家 喜多條忠さん(11月22日、74歳)
かぐや姫の「神田川」やキャンディーズの「やさしい悪魔」など、多くのヒット曲の作詞を手がけました。
日本作詩家協会の会長を務め、音楽業界の権利を守る活動にも力を入れてきました。

■実業家

ジャニーズ事務所名誉会長 藤島メリー泰子さん(8月14日、93歳)
同事務所を創業した故ジャニー喜多川さんの姉で、副社長として事務所を支えるとともに多くの人気男性アイドルを育てました。
ジャニー喜多川さんが亡くなってからは会長に就任し、2020年9月に退任して名誉会長となっていました。

■海外の著名人

英王族 フィリップ殿下(4月9日、99歳)

(写真:getty)

ビクトリア女王のやしゃごにあたりギリシャの王族として生まれ、即位前のエリザベス女王と結婚してチャールズ皇太子をはじめ4人の子どもをもうけました。
女王とともに多くの公務に出席し、結婚から70年以上にわたって女王を支えてきました。