アメリカでは2021年9月以降、広い地域で原因不明の食中毒が発生していました。2021年10月20日にはアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が「サルモネラ菌に汚染されたタマネギ」が原因であることを特定し、被害の詳細や出荷業者の情報を公開しています。

Salmonella Outbreak Linked to Onions | CDC

https://www.cdc.gov/salmonella/oranienburg-09-21/

CDCは2021年9月17日に25の州でサルモネラ菌による食中毒が発生していることを発表し、原因となった食材の特定に取り組んでいました。そして、10月20日に「サルモネラ菌に汚染されたタマネギ」が原因であることを特定しました。このタマネギが原因と思われる食中毒患者は、記事作成時点では37州から652人が報告されており、そのうち129人は入院を必要とする重い症状を呈していたとのことです。



また、問題のタマネギはメキシコのチワワ州で収穫されたもので、「Prosource Produce」と「Keeler Family Farms」によってアメリカ中の飲食店や食料品店に卸されていたことも判明しました。このうちProsource Produceはタマネギのリコールを発表しており、以下のリンク先からリコール対象のタマネギのラベルなどを確認できます。

Recalls, Market Withdrawals, & Safety Alerts

https://www.fda.gov/safety/recalls-market-withdrawals-safety-alerts/prosource-produce-llc-voluntarily-recalls-whole-raw-onions-shipped-chihuahua-mexico-between-july-1



CDCによると、問題のタマネギが最後にアメリカへ輸入されたのは2021年8月31日とのこと。タマネギの保管期限は3カ月間とされており、記事作成時点でも飲食店や食料品店に残っている可能性があるとして、CDCは各企業に在庫の確認や倉庫の消毒などの対応を求めています。また、消費者に対しては以下の対策を求めています。

・メキシコのチワワ州から輸入され、Prosource ProduceかKeeler Family Farmsによって流通したタマネギを購入したり食べたりしない

・生産地が分からないタマネギは全て廃棄する

・問題のタマネギが触れた可能性のある場所や食器を、洗浄する

・下痢や発熱、おう吐などのサルモネラ菌による食中毒症状が現れたら、直ちに医療機関を受診する