ソン・フンミン(中央)を巡り、舌戦を繰り広げているスールシャール監督(左)とモウリーニョ監督(右)。(C)Getty Images

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 両指揮官がホイッスルが鳴った後もバトルを繰り広げている。英公共放送『BBC』など複数メディアが報じている。

 現地時間4月11日、プレミアリーグ第31節で7位のトッテナムと2位のマンチェスター・ユナイテッドが激突。注目の上位対決は、40分にホームの前者がソン・フンミンのリーグ戦2か月ぶりの一発で先手を取るが、その後反撃に出た後者が57分にフレッジの同点弾で追いつくと、79分にはエディソン・カバーニが豪快なダイビングヘッドで押し込み、ついに逆転に成功。

 結局、後半アディショナルタイムにも途中出場のメイソン・グリーンウッドが駄目押しの1点を加えたユナイテッドが、3-1でリーグ戦3連勝を収めた。一方、逆転でチャンピオンズ・リーグ出場権獲得を目指すトッテナムにとっては、手痛い逆転負けとなった。そんな試合で、ひとつのプレーが世界中で議論を呼んでいる。

 スコアレスで迎えた33分だった。ユナイテッドが攻め込むなかで、ポール・ポグバはペナルティエリア内へ絶妙な股抜きパスを供給。これに反応したカバーニは冷静に押し込み、鮮やかにネットを揺らした。アウェーチームが先制と思われたが、ここでVARが介入。その結果、直前にボールを持ったマクトミネイがソン・フンミンの顔をはたいていたとして、遡りファウルが取られ、ノーゴールとなったのだ。

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 これに対し、試合後取材に応じたオレ・グンナー・スールシャール監督は、ファウルを受け倒れたソン・フンミンはオーバーリアクションだと、憤りを隠さない。ソン・フンミンの名字とson(英語で息子)を掛け、呆れ気味に言葉を伝えている。

「もし自分の息子が倒れていて、仲間に助けを求めていたとしたら、食べ物は与えてもらえないだろう。そんなこと恥ずかしすぎるだろ。ゲームは完全に終わってしまった。あれは明白なエラーだ。パーフェクトなゴールだった。我々は騙されていないが、レフェリーは騙されている。もしあれがファウルだとしたら、ショック極まりない」

 それを聞いたトッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督も即座に応戦。敵将の言葉に疑問を突き付けている。

「最初に言っておく。(マンU指揮官の)オレがソニー(ソンの愛称)に対してコメントした後、そのことを私に聞いてこないことにとてもとても驚いているよ。もし私が他クラブの選手A、B、Cを持ち出し、自分の息子だったら今日の夕食はあげないと言ったら、どんな反応をするだろうか。あなたが全くモラルを持っていないのは悲しいことだ。でもソニーにはオレより優れた父親がいることはとてもラッキーだ。父親は、常に子供を養わなければならない。子供が何をしようと関係ないんだ。養うために盗みをしなければならないのなら、盗めばいい」

 ふたりの激しい場外戦は、しばらく続きそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部