クラシックカーのイベント。(c) 123rf

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 昔から、盗難被害に遭うクルマは高級車が多かったが、最近は少し古い日本車の盗難が目立つようになってきた。これもアメリカの25年ルール解禁により、日本の少し古めのスポーツカーなどに人気が集まっていることが原因だ。多くの場合、盗難防止装置で対策を行うが、盗難対策していても盗まれてしまう事例が後を絶たない。

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 欧米やヨーロッパ、そしてアジアにおいて、1990年代からの日本車が高い人気を誇っている。これは、日本車の技術が進歩したことだけでなく、映画「ワイルドスピード」の影響が大きいといえる。加えて、日本のチューニングメーカーが海外に進出したことも、日本車が大いに注目されることになった要因だ。

 海外でも新車の日本車は正規販売されているが、日本市場にしか流通していなかった1990年代の日本のスポーツカーは、海外の人達を虜にしており、JDM(日本の国内市場)という言葉まで生まれた。

 このJDM市場には、主に日本国内でしか販売されていなかった日本車が流通しているが、最近では盗難車がバラバラにされて、パーツで販売されていることが大きな問題となっている。

 このような被害を避けるために、多くの盗難防止装置が販売されているが、プロの窃盗団に対して完全対処できるかといえば、必ずしもそうとは限らない。例えば、盗難防止装置として大きなアラームが鳴るセキュリティシステムを付ける人もいるだろう。しかし、これもプロの窃盗団にとっては無意味である。

 窃盗団は、目星を付けたクルマにどのようなセキュリティが付けてあるか、何度も下見に訪れて確認する。例えば、セキュリティを故意に鳴らして隠れて様子を見る。持ち主は当然解除に訪れるが、何回も同じようにアラームを鳴らすと誤動作や故障と勘違いし、アラームが近所迷惑になると考えてスイッチをいつの日かオフにする。この日を待っていた窃盗団は、アラームが鳴らなくなったことを確認して愛車を盗み出す。

 また、最近ネット通販で見かけるようになったGPSトラッカーも、下見することで持ち主が取り外して充電するタイミングを見計らい盗み出す。

 当然、純正のイモビライザーが装着されているが、これもイモビカッターが出回っているので全く意味をなさない。

 そこで、愛車を確実に盗難から守る方法は、昔ながらのアナログの盗難防止対策だ。クルマのハンドルロックやタイヤロックなど、複数の盗難対策を行うことが有効だ。窃盗団も、盗み出すのに手間と時間がかかることはリスクとなることを知っている。

 このほか、盗まれないためには、「見張っている」「警報装置がある」といったことをアピールすることも重要だ。