人形作家 清水ゆたかの作品

写真拡大

 3月3日の桃の節句を祝う際に飾られる雛人形が、大人の女性の間で人気が高まっている。高島屋各店では桃の節句のシーズンに合わせて雛人形の特設売場を毎年設置しているが、初節句を祝うタイミングで購入する客以外に、近年では「インテリアとして飾れる雛人形を自分用に購入したい」といったニーズが増えていることから、今年は初めて大人の女性に向けた雛人形も用意したという。

【画像をもっと見る】

 高島屋の特設会場では、人形、台屏風、道具をセット販売する従来型の雛人形をはじめ、900通りからカスタマイズ可能な作品(現在は受注終了)など多種多彩な約240種類の人形をラインナップ。今年は、赤やピンクを使った定番の色味以外にも大人の女性が楽しめる雛人形として、落ち着いたカラーの作品やインテリアに馴染むデザインを施した作品などを取り揃えている。中でも、若手人形作家 清水ゆたかによる作品は、時期や場所を問わず飾ることができるシンプルかつ上品な仕上がりで、ワインレッドやスモーキーカラーを取り入れたデザインが好評を得ているという。

清水ゆたかの作品 

 自分用に雛人形を購入する人は50代〜60代以上の女性が中心。購入動機は「結婚を機に子どもが雛人形を持って行ったので、改めて自分用として欲しい」「自身が子どもの頃には無かったデザインの雛人形に興味を持った」など。高島屋の広報担当者は、こうしたニーズの高まりを受けて「雛人形が持つ美しさや可愛らしさが女性の感性を惹きつけている。桃の節句を祝う時だけではなく、日々の暮らしで雛人形を愛でる楽しさを伝えていきたい」と話す。

「春雛」H25×W40×D22cm 台座付(本体価格24万円)

 このほか、スペインのラグジュアリーポーセリンアートブランド「リヤドロ(LLADRÓ)」が通年販売する雛人形も、大人の女性が自分用に購入するケースが増えているという。2004年に初めて雛人形を発売して以降、様々なデザインの新作を発表しており、豊富な種類から顔や着物の色など自身の好きなものを選ぶことができる点に加えて、人形の表情や着物の柄が細部まで描かれたデザイン性の高さから、季節のインテリアとして人気を集めている。リヤドロのマーケティング担当者は好調の要因として「手入れが楽で劣化しにくいことも理由のひとつ」とし、昨今の住宅事情の変化から「雛人形 60周年記念モデル」(27万5,000円)や「春雛」(24万円/いずれも税別)といった小ぶりなサイズの人形が特に人気だという。

 リヤドロ以外にも、インテリアやアートとして雛人形を打ち出すクリエイターは少なくはなく、「クリーマ(Creema‎)」といったハンドメイドのマーケットプレイスでは一部の作品が完売するなどの反響がある。雛人形のスタイルもガラス製や木製など様々。時を経てデザインのバリエーションが広がったことで、孫世代だけではなく親子3世代で楽しめるものへと変わりつつあるようだ。

【あわせて読みたい】ゴシック、茶髪、パステル...現代のお雛様は自由な楽しみ方に(2017年掲載)

■2020年 高島屋のひな人形
場所:高島屋各店 特設会場にて
期間:2020年3月3日(火)まで
公式サイト

■リヤドロ
公式サイト