カルロス・ゴーン被告

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 いま法曹界では、耳を疑うような話が出回っている。

「実はゴーンの弁護士費用を支払っているのは日産らしい」

 なぜカルロス・ゴーン(65)と全面戦争中の日産が? ブラックジョークのような話だが、日産社員にはまったく笑えない話のようで……。

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【動画】週刊新潮が直撃していたゴーン被告

 ある日産幹部がため息交じりに明かす。

「『会社役員賠償責任保険』と呼ばれる保険があります。これは役員や監査役が株主や第三者から訴訟を起こされたり、刑事事件の被告人になったときに備えて、企業が役員にかける保険です。近頃は株主代表訴訟を起こされるなどして役員が高額の賠償責任を負うことも多く、加入している上場企業は多い。いざ役員個人が訴えられたとき、個人にふりかかる弁護士費用や和解金などを保険金でカバーするのです。ウチもこれに入っていまして……」

カルロス・ゴーン被告

“会社のモノは全部オレのモノ”。あらゆる役得を吸い尽くしてきたゴーンが、こんな美味しい制度を見過ごすわけがないだろう。

 ある検察関係者によれば、

「2019年2月に解任された前の弁護団の報酬は、タイムチャージ制だったと聞いている。着手金・成功報酬方式だと金額が確定しづらく、保険が適用しづらかったからだそうだ。弁護士1人につき一時間5〜7万円だったとか」

 最初の弁護団は、元東京地検特捜部部長の大鶴基成弁護士を筆頭に3名。なかでも、大鶴氏は2018年11月のゴーン逮捕直後から、連日、東京拘置所に通い、自宅に戻ってからも夜遅くまで記者対応をしていた。日によっては1日で数十万円の報酬がかかっていたと推測される。

 これに弁護団の人数と約3か月の着任期間を掛け合わせば、

「2000万〜3000万円くらいにはなったのでは」(前出・検察関係者)

 ゴーンに捨てられるようなかたちで事実上の解散となった第二次弁護団は、“無罪請負人”と呼ばれる弘中惇一郎弁護士を中心に総勢7名。着任からは1年半近く経っており、同様の報酬体系だったならば、億の大台を超えていてもおかしくあるまい。

「さすがはゴーン。カネに糸目をつけずに、よくこんな最強弁護団を結成したと感心していましたが、ウチがかけた保険金の可能性があると聞いて愕然としました」(前出・日産幹部)

盗人に追い銭

 いったい真相はいかに。日産広報部に確認してみると、

「確かにご指摘の通り、弊社も会社役員賠償責任保険を活用しており、ゴーン被告もその対象になるので、保険を申請している可能性はあります」

 と回答。だが、

「実際にゴーン被告が保険を活用しているかどうかまでは把握していません。保険を申請する場合は、被保険者である役員個人が保険会社に直接請求するかたちになり、保険会社には守秘義務があるため、弊社にもわからないのです」

 とは言うが、保険料金を払っている当該会社が、保険が使われたかわからないシステムなど本当にあるものなのか。

 日産幹部が、再び怒りをぶちまける。

「当然、車の保険と一緒で保険を使えば保険料は上がるわけで、またウチが損を被るわけです。どこまでウチはあの男にコケにされなければならないのか。盗人に追い銭とはこのことですよ」

 逃亡後もレバノンで旺盛に暴れ続けるゴーン。日産が“呪縛”から解き放たれる日は果たして来るのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2020年1月19日 掲載