ただ一人、リカバリーメニューではないGK練習をこなす川島永嗣

写真拡大

 日本代表は11日、カタールW杯アジア2次予選・キルギス戦(14日)に向け、ビシュケク市内で始動した。初日から参加した13人のうち12人はリカバリーを目的とした軽い調整。しかしただ一人、GK川島永嗣(ストラスブール)だけは本格的なGKメニューを消化し、時には横っ飛びも見せながらコーチのキックを受け止めていた。

 今季の公式戦出場時間はゼロ。それでも川島は、A代表に選ばれている理由を初日のトレーニングから体現していた。「一試合一試合、相手も違うし、環境も違うし、どれだけ順応しながら結果を残せるかが大切。残された時間で最大の準備をしていい結果を残したい」。そんな言葉どおり、いまできる準備をひたむきに続けている。

 自身の現状を「コンディションも良い」と言及した川島。初日の練習も出場機会のために取り組んでいるのではなく、「(フランスを)出る前も練習してから来た。自分もコンディションをよくするというより、より良いプレーをするために一日一日過ごしているだけ。この二試合があるからといって、普段とやっていることは変わらない」のだという。

 今回の活動では異例の2チーム編成を敷いた森保ジャパン。欧州組の中にはキルギスでチームを離れる選手もおり、川島も「選手にとっては集中しやすい環境を整えてもらっている部分もある。移動はヨーロッパの選手は長くないし、今までより良い状況で戦える」と理解を示したが、川島自身は日本に戻ってキリンチャレンジ杯にも帯同する。

 もっとも不動のメンタリティーを持つ36歳はそれにも順応していくつもりだ。「自分たちの国のために結果を残して、見ている人たちを感動させられることを目指すことが大前提」と自らのプレーに焦点を当てた川島は「若い世代を強化するという目で状況を見られるかもしれないが、選手がそんなことを考える必要はない。結果だけを求めて、どういうパフォーマンスをして結果を残すかを集中すればいい」と力強く言い切った。

(取材・文 竹内達也)