ある中国人は、「京都や奈良には中国が最も栄華を極めた唐の時代の建造物が残されている故に、ずっと訪れてみたい場所だった」という。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本を訪れる中国人は多いが、日本を訪れることで中国の発展や古代中国の文化に思いを馳せる中国人もいるようだ。中国メディアの百家号は5月30日、ある中国人が日本を観光してどのような体験をしたかを綴った手記を掲載した。

 歴史的な背景ゆえに、日本と中国と関係が緊張すると日本を訪れるだけで非難を受けることもある中国。この中国人も日本に対しては複雑な感情があることを認めながらも、「旅行先だけで人の愛国心は判断することはできない」と主張しつつ、日本を訪れることは「向学の機会となるものだ」と主張した。

 この中国人は、「京都や奈良には中国が最も栄華を極めた唐の時代の建造物が残されている故に、ずっと訪れてみたい場所だった」という。まず、東京を訪れて、浅草観光と銀座での買い物を楽しんだようだが、「都市の様子は中国の北京や上海と比較すると、個人的にはそこまで発展しているとは感じなかった」とし、日本を訪れることで逆に中国の都市部は日本以上に発展しているということへの自信を強めたと主張した。

 しかし、東京が40年以上も前から既に現在と変わらない発展を享受していたことは驚きであると同時に、中国が短期間で急激な変化を遂げたことについて感情がこみ上げて来たという。

 また、念願の京都観光では、唐の時代を思わせる街並みが完全に保たれていることや、1000年以上の時を経て中国人である自分自身がこの地を訪れていることを感慨深く感じつつも、中華民族が経験した時代の激しい移り変わりに切ない気持ちも感じたそうだ。このように、この中国人にとって日本を訪れたことは、表向きは同じく発展しているように見える日中両国の内部の相違や文化の違いに触れる機会となったようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)