北海道の阿寒湖や十勝川などで、珍しい氷の花々フロストフラワーが見られ、ツイッター上などで写真が次々に投稿されている。

白いマリモのような花々が、湖面の氷の上で華麗に咲き誇っている。そびえ立つ雄阿寒岳(おあかんだけ)をバックに、まるでおとぎの国に来たかのようだ。

厳冬期でも見やすい阿寒湖でさえ、遭遇確率は20%


阿寒湖で1月28日に見られたフロストフラワー(以下、阿寒観光協会まちづくり推進機構提供)

ここ数日の寒波で、釧路市内の阿寒湖では、朝の気温がマイナス20度以下になり、気温などの条件がそろわないと見られない珍しいフロストフラワーの現象が起きている。NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構のフェイスブックでは、2018年1月28日から連日、この見事なフロストフラワーを写真で紹介して、注目を集めている。


1月28日


同30日


同31日


2月1日


同日

フロストフラワーは、水面からの水蒸気が凍り付いてでき、冬の華とも霜の花とも呼ばれる。

阿寒観光協会まちづくり推進機構の担当者は2月1日、Jタウンネットにこれができる条件を次のように説明した。

「気温がマイナス15度以下で、無風、快晴、一定の湿度などがないと見られません。前日に雪が降っても、条件がリセットされてしまいます。ここ阿寒湖では、12月から翌年3月までに見られる確率は、20%ぐらいになっています」

つまり週末に観光で来ても、5回に1回ぐらいしか見られず、遭遇できたらラッキーということだ。

薄氷の上にしかできないため、12月は、一面に広がったフロストフラワーが見られることがある。厳冬期の2月は、湖の底から温泉が湧いて常に薄氷になっているところであれば、条件がそろえば見られる。阿寒湖は、厳冬期でもフロストフラワーが見やすく、温泉街からも行って見られるポイントが1、2か所あるそうだ。

薄氷の上に咲くので、ガイドと行かないと危険

「ほかにもポイントはありますが、地元のガイドなどと一緒に行かないと危険です。薄氷の上に咲いていますので、湖に落ちてしまう恐れがあるからです。温泉街から行けるところでも、写真を撮ろうと際まで行けば、落ちて行方不明になりかねません。観光協会などのアドバイスに従い、1人で行かないようにして下さい

フロストフラワーの現象は、比較的気温が低くなることが多い北海道の道東地方に多いとされる。

音更町にある十勝川温泉では、1月30日朝に気温がマイナス20度以下に下がり、十勝毎日新聞の同日付ウェブ版記事によると、十勝川の川べりで白い氷の花々が見られた。

十勝川温泉観光協会では2月1日、最近の様子を取材にこう話した。

「気温がマイナス15度以下になりますと、川霧の気嵐(けあらし)が立ちます。ここ数日は、マイナス20度以下が続いていますので、見られやすいですね。ここでは、気嵐を見に来られる観光客が多く、そのときに写真を撮ろうとしてフロストフラワーに気付くようですね」