[となりのテレ金ちゃん-テレビ金沢]2018年1月15日放送の「仰天コロンブス」のコーナーで、「いしり(いしる)」の紹介をしていました。

いしりは、奥能登秘伝の調味料で、魚介類を使って作られる醤油です。

アミノ酸やタウリンを豊富に含む

輪島の朝市。画像はイメージ(Kentaro Ohnoさん撮影、Flickrより)

輪島の朝市で、「いしり」をどのように使うか聞いてみたところ、漬物や野菜を煮るのに使う方が多かったです。

特にぬか漬けを作るときに隠し味として使うと漬物がおいしくなるそうです。

輪島市にある醤油屋さんは、いしりをイワシと塩だけで作っていました。イワシを輪切りにして塩をまぶし、1年以上漬け込んでイワシを自然発酵して作ります。水は一切使いません。

別のお店では、イカと塩だけで作っていました。イカの内臓で作るいしりは濃厚で、カレーやシチューの隠し味としても良いそうです。

石川県工業試験場で調べたところ、いしりは、普通の薄口醤油よりも旨味成分のアミノ酸を1.5倍以上含み、コレステロール低下や疲労回復の効果のあるタウリンも豊富だそうです。

ただ塩分が強いので、使い方に加減が必要になります。いしりの原形は、縄文時代にさかのぼり、もともとは塩漬けしたときに出る汁という偶然の副産物でした。

その後は、醤油が普及することで、魚醤は衰退していき、また原料に魚介類を使うために採れる時期や場所が限定されてしまったことから、全国的には普及しなかったといわれています。とはいえ、旨みたっぷりの濃厚な調味料、ぜひ皆さんにも試してもらいたいものです。(ライター:りえ160)