都立大田桜台vs松蔭
先発・谷（松蔭）
暖かい春の陽気に包まれた今日、日大鶴ヶ丘高校グラウンドにて第24ブロックの1回戦が行われた。その第1試合は松蔭vs都立大田桜台。 都立大田桜台は、部員7人しかいないため、都立昭和から選手を借り入れをして出場をしている。ちなみにこの借入れのルールを説明すると、このような形で大会に参加する場合、10人を超えてはいけない。そのため都立昭和の選手が3人出場している。
両チームとも打ち合いのシーソーゲームとなり、とても手に汗握る試合だったが、最後は「毎日1000スイングしてきた」という都立大田桜台の練習の成果が十分に発揮された試合となった。
1回表、都立大田桜台のライトの失策でまずは松蔭が先制点。その後、都立大田桜台は少しずつ反撃をしていくが、4回表、1アウトから松蔭の6番・石川が相手のエラーもあり三塁打。続く7番・大久保、1番・柳下による適時打でなどでその回3点を失い3対6。
だが5回の裏、相手のパスボールなどによりノーアウト満塁のチャンスを作り、その回計4点を取り返し7対6と逆転をする。松蔭の谷は速球主体の投球で、ボールの走りも悪くなかったが、都立大田桜台は、その速球にしっかりと狙い球を絞って打ちに行った。
6回表、松蔭に1点を返され再び同点に追いつかれてしまうものの、都立大田桜台の勢いは止まらず、8番・西の代打、2年生の神藤（かんとう）が逆転ソロホームランを放ち、更に9番・佐藤の適時打や四球などで満塁のチャンスを作ると、3番・岡本が放った適時打でさらに2つの追加点を出し、10対7のまま8回を逃げ切り試合終了。打撃戦を制し、代表決定戦に進出した。
2番を打つ関主将（都立大田桜台）
決勝本塁打を放った2年生の神藤は、都立昭和の2年生。普段はアベレージヒッターだが、この日の打撃では「自分でも驚きました。まさに当たっちゃったという感じです」と人生初のホームランに驚きの様子だったが、このホームランがチームの勢いをさらに盛り上げたといっていいだろう。派遣の選手が決勝本塁打。よくよく考えればなかなか起こりにくい展開であり、漫画のようなストーリーである。
都立大田桜台は、都立昭和と、月に1回程度の合同練習が取り入れられている。毎日1000本以上をスイングすることをノルマとして、やってきた。この日は都立昭和の森監督も見ていたが、「彼らは非常に真面目に練習をしています。うちにきていろいろ学んでいると思いますが、彼らの頑張る姿も、うちにとって学びになっていると思います。とにかく今日は良く打ちました」と都立大田桜台の選手たちの活躍を称えていた。 今日の試合はまさに、そんな日々の積み重ねが十分に発揮できた試合と言える。
公式戦初勝利を飾った都立大田桜台。主将の関は。「先輩が果たせなかった公式戦勝利を果たすことができてとても嬉しいです」とコメント。この勢いを止めずに、次の試合までにどこまで成長できているかを期待したい。
（取材・写真＝編集部）
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