球春到来！今、聞きたい！みんなの用具のこだわり 〜プロ野球選手 バット編〜
前回は、一流のプロ野球選手たちの「グラブのこだわり」について調査しましたが、第2弾は「バットのこだわり」です。打者にとってバットはまさに商売道具。選手達はバットにどのようなこだわりを持っているのでしょうか？選手たちを直撃すると、バット1つをとっても、様々なこだわりを持っていることがわかりました。プロ野球選手はこんなところまで考えているのか！と新たな発見になっていただければ幸いです。
亀井 善行選手（読売ジャイアンツ）
＜1位 グリップの太さ・細さ＞
一番多くのプロ選手から挙げられたこだわりが「グリップ」について。読売ジャイアンツの中距離砲・亀井 善行選手には「毎シーズン、バットのグリップの部分を細くしたり太くしたりする」こだわりが。変化は数ミリ単位だそうですが、一流選手にとっては感覚の違いが大きく出る部分なので、微調整を行いながらシーズンを戦うそうです。
また、太さにこだわりを見せる選手の中には「グリップも芯も太いです。僕は全体的に太めのものを使うので。高校時代もミドルバランスの金属バットを使用していた」と、これまでの野球人生での経験をもとに回答してくれた選手も。逆に細いグリップを選んでいる選手からは「操作しやすいから」との意見もいただきました。
【2015年シーズン成績】
試合 打数 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 亀井 善行選手 109 382 104 6 35 8 .272＜2位 握りやすさを重視＞
「握った感じでしっくりくるもの」をバットを選ぶポイントに挙げ、握った感覚を大切にするプロ選手が多かったです。東北の安打製造機・銀次選手（東北楽天ゴールデンイーグルス）も「握りやすいことに加え振りやすいもの」を、とこだわりを見せました。
【2015年シーズン成績】
試合 打数 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 銀次選手 82 316 95 1 36 8 .301 [page_break:バットのこだわりポイント調査 3位〜5位]＜3位 どんな変化にも対応できるバランス＞
長打も巧打も打ち分ける栗山 巧選手（埼玉西武ライオンズ・2013年インタビュー）はバランスを重視し「体調によって長く持ちたい時と短く持ちたい時とあるのでどっちも対応出来るバットを選んでいます。バランスを大事にしていますね」と体調によって使い分けのできるという要望とバランスの重要性を解説。「振れてないなぁと思ったら短く、振れている時や変化球ピッチャーの時は長く持つので、短く持っても長く持っても振り抜けるようなものが良い」と詳細に説明してくれました。その他の選手からも「芯に当たらないと始まらない」ことを感じた選手で、バット選びの際にバランスを重視するとコメントが出ていました。
【2015年シーズン成績】
試合 打数 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 栗山 巧選手 142 533 143 10 42 3 .268伊藤 光選手（オリックス・バファローズ）
＜3位 バット自体の重さを考える＞
バランスと同率3位となったのは重さへのこだわりでした。エンドランのサインが出ることが多い伊藤 光選手（オリックス・バファローズ＜関連コラム＞）は「ボール球に対しても、なんとか当てられるバットにしていきたい考えのもと、操作性も落とさないように軽さ」にこだわっているといいます。また、セ・リーグ優勝を決めるサヨナラ打を放った雄平選手（東京ヤクルトスワローズ）は、自らをアベレージタイプと分析しバットでは「重さ」以外は変えない、逆に言えば重さは変えるこだわりも垣間見えました。
【2015年シーズン成績】
試合 打数 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 伊藤 光選手 104 247 67 1 28 0 .271 雄平選手 141 551 149 8 60 7 .270＜5位 型（モデル）を意識＞
そして、高校球児にとっては「◯◯選手モデルの用品を買いたい」のように、用具を買う理由の一つにも挙げられる「型（モデル）」が5位にランクイン。「5〜6年、型は変わってない」と生粋の長距離砲・Ｔ−岡田（岡田 貴弘）選手（オリックス・バファローズ＜2015年インタビュー＞）が語るように、1種類の型のバットにこだわる選手もいれば、「モデルを何種類か持って、ピッチャーやコースによって使い分ける」こだわりを披露した福岡ソフトバンクホークスの切り札的存在・吉村 裕基選手（2011年インタビュー）は「変化球に対応しやすいバットという観点」を大切にしている発言。同じ「型」へのこだわりと言っても、多岐にわたった活用方法があることが分かります。
【2015年シーズン成績】
試合 打数 安打 本塁打 打点 盗塁 打率 Ｔ−岡田選手 105 389 109 11 51 2 .280 吉村 裕基選手 73 129 28 3 15 0 .217
