左から熊本工時代の西山 天翔、次のステージでの活躍が期待される深水 裕貴(3年)

 熊本県は長年、熊本工が歴史を作ってきた。夏20回出場は歴代19位で、戦績も29勝20敗としっかりと勝ち越している。また、選抜にも20回の出場経験を持つ。日本人初の2000本安打を達成した川上 哲治氏(元巨人)や、天才打者といわれ、通算2119安打を放った前田 智徳氏(元広島)と2000本安打の打者を2名輩出。さらに通算360盗塁の荒木 雅博選手など多くのプロ野球選手を輩出し、長い歴史を作り上げた熊本工のつながりに迫っていきたい。

3度の夏の甲子園準優勝 目指すは悲願の甲子園優勝

 熊本工は明治31年4月に熊本県工業学校として創立。その後数度の改称を経て、昭和26年に現在の校名である熊本県立熊本工業高等学校に改称された。野球部が甲子園に初出場したのは、1932年の第18回全国中等学校優勝野球大会。なんといきなりベスト4まで勝ち上がり、1934年には夏の甲子園準優勝、そして1937年には、エース川上 哲治が投打で活躍を見せ決勝まで勝ち進むも、中京商に1対3で敗れ、またも準優勝に終わる。

 その後も甲子園出場を続け、熊本県を代表する強豪校としてリード。印象的だったのは、1996年夏の甲子園。決勝まで勝ち進んだ熊本工は松山商と対戦。初回に3点を先制され、その後2点を返したものの、9回表の攻撃が終了した時点で2対3とリードを許していた。しかしこの回の攻撃で、1年生打者・澤村 幸明(元日本通運)の同点本塁打で試合を振り出しに戻すと、延長10回裏、ドラマが起こる。熊本工は一死満塁のチャンスで大きな右飛を放ち、犠牲フライでサヨナラ優勝が決まったと思われたが、松山商のライト・矢野の好返球で、ダブルプレー。いわゆる「奇跡のバックホーム」でサヨナラ勝ちを阻止されてしまったのだ。そして延長11回表に3点を勝ち越され、3度目の準優勝に終わる。

 2000年以降、甲子園出場は6度となっている熊本工は、プロ・大学・社会人で活躍する選手も多数輩出している。現在の熊本は九州学院、秀岳館、城北など私学を中心にひしめき合っている状況。そこから抜け出すには、圧倒的な実力が必要になるが、再び熊本工は強いと思わせる活躍を見せてくれるだろうか。

[page_break:近年の卒業生]近年の卒業生

 近年では、2007年選抜4強に勝ち進んだ選手たちが高いレベルで活躍している。今後、期待されるのは2013年夏の甲子園に出場した中心選手たち。今年の3年生の中ではクリーンナップを打った高木 栄志選手や強打の捕手として活躍した深水 裕貴選手など、主力選手たちの次のステージでの活躍に期待がかかりそうだ。

■2008年卒・藤村 大介(巨人)・隈部 智也(明治大−Honda熊本)・今村 幸志郎(関西メディカル学院−西部ガス)

■2009年卒・二殿 史一(東京情報大−元伯和ビクトリーズ)

■2011年卒・月田 雄介(明治大−JR東日本東北)

■2014年卒・堀田 貴史(東京情報大)・坂井 駿(横浜商科大)

■2015年卒・西山 天翔(九州産業大)・山本 力也(専修大)

■2016年卒見込み・深水 裕貴(専修大)