ミランは28日、バルセロナFWズラタン・イブラヒモビッチを獲得することでバルセロナと合意したことを発表した。バルセロナで交渉に当たっていたアドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役は、イブラヒモビッチの獲得について、次のように明らかにしている。

「我々は2400万ユーロ(約25億8000万円)の買い取りオプションつきレンタル移籍でまとまった。月曜にズラタンはメディカルチェックを受け、それからミランと4年契約を結ぶ。ベルルスコーニ会長の大きな努力だよ。私はすべてのミランサポーターを代表し、彼に感謝した。これで我々はほかのチームにない攻撃陣を持つことになる。イタリアとヨーロッパのどのチームに対しても、このチームの構造にハンディキャップはない。我々はどことも争える。ズラタンは2006年の時点ですでに我々の選手になるはずだったんだがね…。過去のことは放っておこう。これで良い。まだ彼は若いんだ」

一方、イブラヒモビッチはミランの選手として初のコメントを次のように残している。

「オレに笑顔を取り戻させてくれた。オレはもっとうまくやろうという大きなモチベーションを持って(バルセロナを)去る。人生において変更はあるもので、すべてが考えているようにはいかないものなんだ。チャンピオンズリーグも含め、ミランで勝つために全力を尽くす。ミランは世界最強のクラブの一つだ。バルセロナよりも偉大だよ。オレはとても満足している。両方が満足しているんだ。オレは向こう(ミラン)に行くことを望んでいた。ロナウジーニョや(アレシャンドレ・)パトと一緒に、オレたちは最強の攻撃陣をつくることになる。インテルのサポーターたちはオレのことを考えていないと思うよ。彼らはすべてに勝った。ほかに考えることがあるんだ。(ペップ・)グアルディオラ監督にあいさつ? 今はしない方が良いだろう」

イブラヒモビッチは29日にミラノ入りし、同日夜に行われるレッチェ戦でファンから歓迎を受けるだろう。30日にメディカルチェックを受け、それからサインを交わすことになる。なお、ガッリアーニ代表取締役は「正式な入団会見はないだろう。ズラタンは代表に招集されたし、すぐにスウェーデン代表に合流するだろうからね」と明かしている。

また、ミランの選手たちにイブラ獲得を伝えたのは、オーナーのシルヴィオ・ベルルスコーニ氏だったようだ。同日ミラネッロ(練習場)を訪れ、マッシミリアーノ・アッレグリ監督やテクニカルスタッフとあいさつしていた同オーナーは、チーム全体に対してイブラ獲得を伝達。ミランの公式サイトによると、ベルルスコーニ・オーナーはそれからガッリアーニ代表取締役に電話し、イブラヒモビッチ本人とも直接話したとのことだ。電話でのあいさつで、ミランの選手たちは新たなチームメートに拍手を送ったという。

なお、イブラヒモビッチの代理人であるミーノ・ライオラ氏は、「バルセロナがイブラヒモビッチに失格のらく印を押したということじゃない。インテルのサポーターに対しては残念に思うよ。彼らは満足していないだろう。でも、サッカーとはこういうものなんだ。とにかく、彼はインテルの選手でいる間、あのユニフォームのために全力を尽くした」とコメントしている。