包帯を巻くことが新しい癒し!と石原さとみ

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天童荒太の書き下ろしの最新小説を「トリック」の堤幸彦監督が映画化した「包帯クラブ」が9月15日よりロードショーとなる。「包帯クラブ」という他人の痛みを知ることを始めた、ニッポンのとある街に暮らす高校生たちの物語を描く。

その完成会見が7月23日、東京のミッドタウンタワーで行われ、堤幸彦監督と原作者の天童荒太、仕事の都合で出席できなかった貫地谷しほり以外の包帯クラブの面々が登壇した。

天童荒太は、「今、世界的にヒットしているものは、大切なものを守る為に戦うというものだ。しかし現実を見ると、大切なものを守るために戦おうとして、逆に悲劇が広がっている。だからこそ、戦わない形で大切なものを守ろうとする人たちの美しい物語を、世界の片隅にでも残しておきたかった。」と原作への思いを述べた。

堤幸彦監督は、「小さなことを紡いでいくと、すごく大きな山が浮き彫りになり自分でも驚いている。私の中で包帯を巻くということが始めの一歩だ。」

有沢律希、通称リスキ役の佐藤千亜紀は、「有沢律希は、素直すぎるがゆえに屈折してしまう女の子。廃墟のようなシーンで、椅子などに包帯を巻いて燃やすシーンが印象に残っているが、気持ちが入っていて切ない気持ちになった。
人の痛みを理解するのは難しいと思うが、それを感じて人のために何かをできたらと考えさせられるような映画だ。そして、自分の傷や人の痛みから進むための勇気をくれる作品になったいいなと思う。」

橋本阿花里、通称テンポ役の関めぐみは、「完成した映像はとても綺麗で、一瞬一瞬がつながっている作品だ。誰かのために何かをすると喜ぶ人もいれば、それを見て傷ついてしまう人もいる。人それぞれに感じ方があって、人と人がつながるということは、何が起こってもおかしくないということを改めて気づかせてくれる作品だ。」

柳元紳一、通称ギモ役の田中圭は、「相手の痛みを知ろうとする、自分の痛みと向き合おうとする。それは皆が絶対に持っている感覚で、心の奥にしまいすぎているその感覚を、さり気なく手前に持ってきてくれる作品だと思う。」

包帯の手作りコサージュをつけてきたという、騎馬笑美子、通称ワラ役の石原さとみは、「この台本を読んだときに、あまり体をはるシーンは無いのかと思っていたら、崖から落ちるシーンがあり、いろんな所を傷つけながら芝居をした。
高崎の観音様に包帯を巻いたシーンがあるが、その画面は迫力があるのでビックリすると思う。また包帯を皆で巻きあうシーンがあったが、それが面白かった。
『包帯クラブ』という題名だけを聞くと、違った印象を持ってしまう方が多いかもしれないが、この作品は青春群像劇で見た後に暖かい気持ちになる。包帯を巻くというしぐさが、包帯の純白さだったり、暖かさだったり、風に揺られている柔らかい感じだったり、これが癒されることなのかなと思う。新しい癒しを感じて欲しい。」

この物語の主人公である井出埜辰耶、通称ディノ役の柳楽優弥は、「包帯を巻いて、心の傷を癒す話だが、映画を見終わった後、心の傷が癒される思いがした。高崎の市庁舎に包帯を巻いたのが一番の思い出。物語の中で一番好きな言葉が、『包帯一本巻いて世界が変わったら、めっけもんやん』。
包帯クラブを見ると、見た後に心の傷が癒された気持ちになったので、皆さんもそうなった欲しい。」

最後に天童は、「人の傷に対して、それを傷だと認めてあげ、痛いでしょうといたわりの言葉を掛け合うだけで、人も世界も少しずつ変わっていく。それを大げさではなく、日常の中で軽やかに優しく、まさに包帯の肌触りで伝わってくるような映画だと思っている。この作品の原作者であることが誇りである」と、締めくくった。

世界の片隅で始まった「包帯クラブ」という、戦わないための小さな活動とはどのようなものなのか、映画館で見て欲しい。

監 督:堤 幸彦(トリック)
原 作:天童荒太(筑摩書房)
出 演:柳楽優弥、石原さとみ、田中 圭、貫地谷しほり、関めぐみ、佐藤千亜紀、原田美枝子 ほか
配 給:松竹
公式サイト:http://www.ho-tai.jp/
9月15日よりロードショー

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