ボストンマラソンで優勝した川内優輝【写真:Getty Images】

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世界陸上覇者キルイを破り日本人31年ぶりの偉業、米国だけでなくイタリアでも称賛の声

 男子マラソン川内優輝(埼玉県庁)が16日、米ボストンで行われたボストンマラソンで2時間15分58秒のタイムで優勝。日本人としての優勝は1987年の瀬古利彦以来、31年ぶりの快挙となった。「最強の市民ランナー」の偉業は海を越えて、イタリアメディアも特集。「日本人が世界王者を破った」と称賛している。

「カワウチ、ボストンマラソンの贈り物」と特集したのはイタリア地元紙「トゥット・スポルト」だった。

 悪天候の中での川内の魂の激走。世界王者を破って成し遂げた偉業を、同紙は称賛をもって伝えている。

「日本人のマラソン選手が世界王者キルイを倒した。このマラソンは極寒の中で、土砂降りの雨と風の中での優勝だった」とレポート。劣悪な天候の中、独走状態だった昨年大会の優勝者で、世界陸上も制しているジョフリー・キルイ(ケニア)を抜き去る逆転劇だった。

“公務員ランナー”の異色の素顔にも注目、ギネス記録樹立も紹介

 埼玉県庁に籍を置く、異色の“公務員ランナー”の横顔にも同紙は注目している。

「この日本人はセミプロの選手でありながら、2時間20分以下の最多記録でワールドギネスにも選出された。2017年には12大会に参加し、5つのタイトルを獲得した」

 今年の元日には同じくボストンで行われた「マーシュフィールド・ニューイヤーズデイ・マラソン」では氷点下17度の極限状態で2時間18分59秒をマーク。自身76度目の2時間20分切りという世界最多記録を樹立した偉業も紹介されている。その記録は、今回の優勝で79回に伸びた。

 偉業を成し遂げた“最強の市民ランナー”川内。その名は欧州にも轟いていた。(THE ANSWER編集部)