中田英寿が語る“サッカー哲学”と98年W杯 「自分を良い選手だと思ったことはない」

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FIFA公式サイトが「日本とアジアのアイコン」中田氏を直撃

 元日本代表MF中田英寿氏は、日本にとって初出場となった1998年フランス・ワールドカップ(W杯)から3大会連続で出場を果たした。

 長年日本サッカー界をけん引してきたレジェンドは、FIFA(国際サッカー連盟)公式サイトのインタビューで、自身の哲学やW杯について語っている。

 1995年にベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)でJリーグデビューを果たした中田氏。98年夏にイタリアのペルージャに移籍すると、2000年1月にはローマに籍を移し、リーグ優勝にも貢献した。確かな技術とカリスマ性で「日本とアジアのアイコン」として君臨したが、現役時代に「自分のことを良いプレーヤーだと思ったことはない」という。

「いつも(自分は)普通の選手だと思っていた。だからこそもっと向上しないといけないし、もっとトレーニングしないといけない。それが僕のフィロソフィー(哲学)だった」

 インタビューでは、少年時代は日本でサッカーよりも野球の方が勢力は強く、「ドリームチームやヒーローはいなかった」とも回顧。そんな時、人気漫画「キャプテン翼」に影響され、サッカーが好きになったことを明かしている。

フランス大会は「まるでホームゲームのようだった」

 日本はロシアW杯で6大会連続出場を果たすが、歴史の始まりとなったのは1998年のフランス大会。結果はアルゼンチン、クロアチア、ジャマイカと対戦して全敗も、「夢が叶った」という初出場の記憶は今でも鮮明に残っているようだ。

「クレイジーだった。日本がW杯で初めてプレーしたんだから。でも、スタジアムの半分かそれ以上の日本のサポーターが来てくれた。アウェーでなく、まるでホームゲームのようで、凄い力を与えてくれた。もちろん大きなプレッシャーはあったけど、僕らはワールドカップというものを知らなかった。時には多くの情報を持っていないことが良かったりもするんだ」

 日本にとって未知の世界だったW杯も、初めて足を踏み入れてから今年で20年が経過。出場するだけでなく、結果が求められる時代となった。今年6月にロシアW杯に挑むハリルジャパンは、過去最高成績であるベスト16の壁を突破することができるだろうか。

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images