平昌五輪代表への”切符争奪戦”となる全日本フィギュアスケート選手権。残念ながら、11月のNHK杯の練習中に右足首を負傷した羽生結弦は出場しないが、すでに各メディアで報じられているように、欠場しても羽生が「五輪代表に選ばれる可能性」は非常に高いとされている。


全日本選手権を欠場することになった羽生結弦

 日本スケート連盟が発表している平昌五輪派遣選手の選考基準では、「最終選考会である全日本選手権への参加は必須」となっているが、「過去に世界選手権大会3位以内に入賞した実績のある選手が、けが等のやむを得ない理由で全日本選手権へ参加できなかった場合、不参加の理由となったけが等の事情の発生前における同選手の成績を上記選考基準に照らして評価し、大会時の状態を見通しつつ、選考することがある」という”特例条件”も明記されている。

 昨年、羽生が全日本選手権をインフルエンザで欠場しながら、世界選手権の代表に選ばれたのも特例によるものだが、平昌五輪の”通常の”選考基準は以下の通りになる。

 〜監本選手権大会優勝者を選考する。
◆^焚爾里い困譴を満たす者から総合的に判断して1名選考する。
  A)全日本選手権大会2位、3位の選手
  B)ISUグランプリファイナル出場者上位2名
 以下のいずれかを満たす者から総合的に判断して、 ↓△覗考された選手を含め3名に達するまで選考する。
  A)△裡繊頬瑤錬臓砲乏催し、△料考から漏れた選手
  B)全日本選手権大会終了時点でのISUワールドスタンディング上位3名
  C)全日本選手権大会終了時点でのISUシーズンワールドランキング上位3名
  D)全日本選手権大会終了時点でのISUシーズンベストスコア上位3名

 これらの条件に照らし合わせると、日本人男子で唯一グランプリ(GP)ファイナルに出場した宇野昌磨は、△裡臓砲両魴錣鯔たしているため、全日本選手権の順位に関係なく選考対象になる。

 また、現時点での日本人選手のワールドスタンディングは、羽生が1位、宇野が2位で、18位の田中刑事が3番手。2017-2018シーズンの得点で決まるワールドランキングは宇野が4位、羽生が24位で、田中が28位。シーズンベストスコアも宇野、羽生、田中の順番になっており、いずれも上位3人の顔ぶれは同じだ。

 羽生は、昨シーズンの世界選手権で優勝しているため、全日本選手権に出場しなくても選考対象になる”特例条件”を満たしている。それだけでなく、のB)、C)、D)の条件にも当てはまることから、五輪代表に選ばれることは確実と見られているのだ。


ソチ五輪代表の郄橋大輔(右)は全日本では総合5位だったが、シーズンベストスコアが評価されて選ばれた photo by YUTAKA/AFLO SPORT

 2014年ソチ五輪の代表選考では、2013年の全日本選手権1位の羽生と2位の町田樹(たつき)の出場権獲得が決まり、残る1枠は、全日本選手権で3位になった小塚崇彦や、同選手権は4位ながらGPファイナル3位に入っていた織田信成ではなく、同選手権5位の郄橋大輔が選ばれた。このときは、ワールドスタンディングとシーズンベストスコアが、羽生に次ぐ2番手だったことを評価されての選出だった。

 一方、平昌五輪の出場枠が「2」しかない女子は、全日本選手権の優勝者が選ばれるのは同じだが、2枠目は男子の△鉢を合わせた条件で選考される。これに当てはめてみると、現時点では、GPファイナルに出場した宮原知子と樋口新葉が△裡臓砲鯔たしている。

 また、ワールドスタンディングで5位の宮原に次ぐ9位の本郷理華がのB)に、シーズンランキングで5位の樋口と9位の宮原の間に入っている7位の坂本花織がのC)にそれぞれ該当。のD)のシーズンベストスコアは、樋口、宮原、坂本の順番になっている。

 女子のシーズンランキング11位(日本人4位)の三原舞依や14位(日本人5位)の本田真凜、15位(日本人6位)の白岩優奈が選考対象に残るには、全日本で3位以内に入ることが絶対条件になっている。これは、男子のシーズンランキング28位の無良崇人(日本人4位)についても同じ状況だ。

 全日本選手権の結果は大きなウエイトを占めるが、それだけで代表が決まるわけではないため、誰が選考対象になるのか混乱しているファンも多いかもしれない。だが、選考基準をしっかり理解しておけば、平昌五輪出場権をかけた最後の戦いを、より緊迫感を持って見ることができるはずだ。

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