乾貴士のポジションは?(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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日本は10月6日にニュージーランド、10日にハイチと国内で試合をします。このマッチメイクは大変だったと思います。多くの国がワールドカップ予選を戦っている中で、相手に来てもらうのは苦労したでしょう。

ただ、せっかく来てもらうとはいえ、ハイチはワールドカップに出場できませんでした。ニュージーランドはオセアニア予選を勝ち抜いて11月に南米予選5位のチームとの大陸間プレーオフ進出を決めたとはいえ、ワールドカップで対戦するような競合と比べると力が落ちることは間違いありません。

ですが、ワールドカップまでの残りの強化期間はあまりありません。そういう意味ではこの試合を有意義な戦いにしなければなりません。だったら僕はこの2試合に、あまり楽しくなるような戦いを求めないほうがいいのではないかと思います。

たぶん、久しぶり日本がボールを圧倒的に保持し、攻めまくる試合のほうが観客のみなさんを満足させることでしょう。ですが日本と相手との実力差を考えると、そんな試合をしても意味がないと思うのです。

僕がヴァイッド・ハリルホジッチ監督に試してほしいのは「守備」です。ワールドカップでは、常に相手の守備に晒されることが考えられます。だったら、この2チームに対しても、あえて守備ラインを下げて相手を引き出し、カウンターで攻め返すという戦いを試したほうがいいと思うのです。また、どうやって前線から相手のボールを奪いに行くのかという部分の整理もしてほしいと思います。

選手に関して言えば、ここでまた新たな選手をたくさん呼ぶのは止めたほうがいいでしょう。これから日本に大切なのは「連携」と「適性」です。これまで呼んでも使っていない選手、たとえば植田直通などを起用して周囲との連携を合わせておかないと、これまで呼び続けた意味がなくなります。

また、連携について言えば、たとえばボランチの長谷部誠と山口蛍のどちらかが負傷した場合のことを考え、選手を入れ替えながらどんなコンビネーションができるのかを確認しておくべきです。

「適性」については、これまでハリルホジッチ監督は選手のポジションを固定的に考えてきました。ですが、たとえば岡崎慎司などを右サイドで起用したり、乾貴士をトップ下や右サイドで使ってみたりなどして、他のポジションの適性をチェックしておいてほしいと思います。

今回の予選は本当に苦しみました。そのぶん学べたことも多かったと思いますが、これから先にまだまだやるべきことが多いのも、ハッキリしています。10月が華々しいだけの試合にならないことを願っています。