【ACLプレビュー】追い上げ or 逃げ切り…ベスト4の切符を掴むのは!?《浦和vs川崎F》

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▽13日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝2ndレグ、浦和レッズvs川崎フロンターレが埼玉スタジアム2002で行われる。

▽ベスト4を懸けた日本勢同士の対決。1stレグは圧倒したホームの川崎Fが3-1と完勝。2ndレグに向けて大きなアドバンテージを得た。しかし、敗れたとはいえ、浦和はアウェイゴールを1つ持ち帰ることに成功。このアウェイゴールを生かせるかどうか、浦和の底力が試される一戦となりそうだ。

◆不調の浦和、好調の川崎F
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▽両チームの状態は対照的と言ってもいいだろう。浦和は1stレグの川崎F戦で完敗。その後のリーグ戦では、清水エスパルスを2-1で敗ったものの、YBCルヴァンカップではセレッソ大阪を相手に0-0、2-2とドロー。アウェイゴール差で敗退が決定。さらに、インターナショナルウィーク明けの9日には、ホームで柏レイソルを相手に1-2で敗戦。勝負強さを取り戻せないまま2ndレグを迎えた。

▽対する川崎Fは好調を維持。1stレグの勝利後、ヴァンフォーレ甲府とのリーグ戦は2-2のドロー。ルヴァンカップではFC東京との2試合を、2-0、5-1で制しベスト4進出。さらに、リーグ戦では14戦無敗、5戦連続無失点の横浜F・マリノスを相手に3-0の完勝。攻守ともに乗りに乗っている状況だ。

◆大声援を味方にできるか〜浦和レッズ〜
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▽1stレグを1-3で落とした浦和としては、2-0で勝利することが最も望ましい結果だろう。攻撃力が売りの川崎Fを無失点に抑えるという難しいミッションは残されているが、1失点を喫した時点で3得点が必要となり、現状の浦和としてはより厳しいミッションとなる。

▽しかし、そんな浦和にとって後ろ盾となりそうなのは、やはりサポーターの力だ。浦和にとっての最大の武器とも言えるのは、ホームの埼玉スタジアム2002に集まるサポーターの大声援だろう。リーグ戦では結果が出ず、ルヴァンカップも敗退。天皇杯は残されているが、浦和としてはアジアタイトルを掴み、サポーターを笑顔にさせたいはず。サポーターも後押しのための集客に奔走しており、FW武藤雄樹やMF宇賀神友弥もビラ配りを実施するなど、チーム一丸、浦和の街一丸となって川崎Fを迎える。

▽今シーズンのACLといえば、ラウンド16の済州ユナイテッドFC戦を忘れてはならない。アウェイで2-0と敗れて迎えたホームでの2ndレグ。90分を2-0で終え延長戦に突入した浦和は、森脇良太のゴールで逆転勝利。乱闘事件が起きるなど後味の悪い試合とはなったが、ホームの大声援を受けての逆転勝利は見事だった。あの時の勝負強さを思い出し、2-0のミッションを達成したい。

◆好調を維持し新境地へ〜川崎フロンターレ〜
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▽前述の通り、現在チームとして調子の良さが際立っている川崎F。2ndレグでも1stレグ同様に主導権を握って、好調を持続したいところだ。川崎Fとしてはリスクをかけずに戦うことができる一戦。前がかりにならざるを得ない浦和の隙をしっかりと突いていきたい。

▽2点差を追いかけられる状況としては、ベスト4に進出したルヴァンカップの準々決勝と同じ。対戦相手は違えど、FC東京を相手にした2ndレグでは相手の戦意を喪失させる大量5得点を奪った。アウェイゴールを奪えることができれば、さらに優位に立てるだけに、持ち前の攻撃力を要所で発揮したいところだ。

▽しかし、受け身になっては浦和にペースを握られる可能性がある。早い時間帯で失点するようであれば、浦和が勢いに乗り、2点目を慎重に奪いに来られる可能性が高い。川崎Fとしては、受け身になりすぎず、好調の要因でもある連動したプレスで浦和の組み立てを封じたいところ。プレスからのショートカウンターで先手を奪えれば、クラブ初のベスト4に大きく近づくはずだ。

【予想スタメン&フォーメーション】

◆浦和レッズ[4-1-4-1]
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GK:西川周作

DF:森脇良太、遠藤航、マウリシオ、槙野智章

MF:ラファエル・シルバ、柏木陽介、阿部勇樹、矢島慎也、高木俊幸

FW:興梠慎三

監督:堀孝史

出場停止:武藤雄樹▽直近のリーグ戦の柏戦では[4-1-4-1]のシステムを採用。浦和の代名詞でもあった3バックから変貌を遂げたが、守備が機能しているとは言い難い内容だった。選手たちの中にも戸惑いが見られたが、この試合ではそうも言ってられない。試合中に3バックに変更することも可能なシステム。川崎Fのプレスを回避し、ミスマッチを生み出して攻撃で主導権を握っていきたいところだ。

◆川崎フロンターレ[4-2-3-1]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:チョン・ソンリョン

DF:エウシーニョ、奈良竜樹、谷口彰悟、車屋紳太郎

MF:大島僚太、エドゥアルド・ネット

MF:家長昭博、中村憲剛、阿部浩之

FW:小林悠

監督:鬼木達▽リードを奪えている状況とはいえ、メンバー変更はしないとみる。直近の明治安田生命J1リーグ第25節の横浜F・マリノスとの“神奈川ダービー”と同じメンバーになると予想。精度が増しているプレスから、一気にゴールを奪って、試合を優勢に進めたい。先の横浜FM戦で右足首を痛めたMF大島僚太だが、強行出場の見込み。磐石の面々が先発に並びそうだ。

【注目選手】

◆MF柏木陽介(浦和レッズ)
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▽浦和の注目選手には復帰が見込まれるMF柏木陽介を挙げたい。ケガの影響もあり、川崎Fとの1stレグからリーグ戦2試合、ルヴァンカップ2試合を欠場していたが、復帰の目処が立った。チームの攻撃をコントロールする柏木の復帰は、今の浦和には重要なピースとなる。セットプレーのキック精度もあり、味方のゴールを演出する力を持っている。隙を見た飛び出しからの得点にも期待。浦和の逆転突破には欠かせないピースとなるだろう。

◆DF奈良竜樹(川崎フロンターレ)
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▽川崎Fの注目選手は奈良竜樹だ。リーグ戦直近5試合で先発し、DF谷口彰悟とのコンビネーションも徐々に向上。持ち前の体の強さと粘り強さ、球際の強さを発揮しつつある。浦和が前線に人数をかけてくることが予想されるだけに、川崎Fとしてはしっかりと守り、得点を防ぐことが重要だ。この先チームが高みを目指すためにも、奈良が自信を確信に変えられれば、悲願のタイトル獲得も見えてくるだろう。

◆カギは先制点、中国に負けない激闘となるか!?
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▽この試合の見所は、何と言ってもどちらが先にスコアを動かすかだ。川崎Fは2点リードを得ているとはいえ、浦和のアウェイゴールが引っかかる。早々に浦和がゴールした場合は、追い込まれる立場となるのは川崎Fだ。

▽一方で、アウェイゴールを川崎Fが奪うことができれば、浦和は最低3ゴールが必要となる。さらに、90分で勝ち抜こうと思えば4ゴールが必要だ。川崎Fとしては、先にゴールを決め、浦和に大きなプレッシャーをかけて主導権を握りたい。

▽準決勝の相手は激闘を制した上海上港に決定している。中国では広州恒大が4点ビハインドを追いつき、PK戦にまでもつれ込んだ。果たして、日本勢の代表となるのはどちらなのか。注目の2ndレグは、13日の19時30分にキックオフを迎える。