UAEとは2015年のアジアカップで対戦して負けている。それに相手は事前にスペインで1か月半のキャンプを行なうなど用意周到な準備を進めている。
 
 日本は6月のキリンカップから活動がないわけだから不安は大きいよ。ヨーロッパの選手たちはシーズンが始まったばかりで、エンジンがかかっていないだろうし、国内の選手は真夏での連戦で疲労が蓄積されているはず。
 
 それに天気予報を見ると、台風10号が試合の前日に本州に上陸する予定だという。そうすると9月1日は台風一過で非常に高い気温のなかで試合を行なうことになる。日本の選手たちの足が止まらない保証はないんだ。
 
 また、ハリルホジッチ監督が就任してから強豪国と戦っていないのも不安材料だ。アギーレ体制の時は早い段階でウルグアイ、ブラジルにこてんぱんにやられたが、経験を得ることができた。翻ってハリルジャパンはドメスティックな試合が多い。ワールドカップ2次予選を戦った後に、キリンカップでブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナと対戦したが、ともにベストメンバーから程遠く、一流とは言えなかった。最終予選という大舞台で実力を発揮できるかは未知数だ。
 
 今回の発表では、先日のJリーグで交代後に監督と衝突した金崎を招集しなかった点も話題を呼んだ。金崎は自分自身に怒りを向けていたら良かったんだろうけど、ベンチ前で監督に対して声を荒げる振る舞いはいささか度が過ぎていた。
 
 ただ、世界のスーパースター、例えばバロテッリや、Jリーグでもプレーしたピクシー(ストイコビッチ)だって審判らと衝突するシーンはよく見られた。それは負けたくないという強い気持ちの表われなんだ。それに今回の問題は日本代表で起こった出来事ではなくて、アントラーズのチーム内で起きたもの。見方によっては、夫婦喧嘩に他人が口を出しているようにも映る。他の国だったらこんなに問題にならなかった可能性だってあるしね。
 
 ハリルホジッチ監督は自分が呼ぶ選手をどんな時でもコントロールしたいのかな。これはアントラーズの問題であって、クラブ内で穏便に解決できたら、それで良いんじゃないかとも思う。
 
 確かに金崎の振る舞いは褒められたものではないけど、ハリルホジッチ監督の目の届かないところで問題を起こした選手は今後も何かしらのペナルティが課せられるのかな。
 
 例えば、ハリルホジッチ監督の目の届かないところで、選手だけで会議をやったらどうするんだろうね。過去にはジーコ体制の時などは選手だけのミーティングをやっていたけど、監督はそういう点もすべて把握しなくちゃいけないのかな。
 
 選手ミーティングだって日本では“結束”って表現されるけど、海外だったら内紛やクーデターと言われる場合だってある。
 
 今回は会見で、ハリルホジッチ監督が金崎の振る舞いを「代表選手にふさわしくない」と否定したけど、本来は言及しない方が良かったんじゃないかな。アントラーズ側の対応に任せておくのがベターだったと思う。
 
 いずれにしてもまずはUAE戦に勝つこと。ロシアワールドカップに向けては白星スタートしてほしい。