――清志郎さんはRCサクセション時代の「サマータイムブルース」(1998年『COVERS』収録)のような反原発ソングとか、原発に限らず、世の中に対するメッセージを歌にしてきましたよね。斉藤さんも「ずっとウソだった」が各所で話題を呼びましたが、歌詞に込めるメッセージは以前から変わりはありませんか?

斉藤:作り方は昔から、そう変わらないんですけどね。メッセージというよりは、俺のは単純に“愚痴”という感じで思ってて(笑)。それが歌になると、そういう取られ方もするんでしょうけど。いわゆるメッセージソングみたいな曲はちゃんと聴いたことがないし、そういう堅苦しい、拳を上げているようなものは、そんなに好きじゃなくて。かといって、メッセージが無い曲が好きかというと、そうでもなくて。サラッと入っているような、ジワっとくるような曲が昔から好きなので、自分も…という感じなんですけどね。

――清志郎さんは1970年のデビューから39年間、58歳で亡くなられるまで現役で活躍されましたよね。斉藤さんは今45歳にして、最新アルバム『45 STONES』が自身最高のオリコン2位を記録しましたが、1993年のデビューから18年間、続けてこられた理由は何だと思いますか?

斉藤:毎回、締切はデカイと思いますけどね(笑)。自分でもやりたいし、有り難いことにそういう期限があって、「アルバムを作らないか?」と言ってもらっている訳で。それが無かったら、放っておいたら5年も10年も何もしない質なので、締切があってこそですよね(笑)。

――1年でシングル4枚とアルバム1枚とか、中にはもっと多い人もいますが、音楽業界のサイクルとは関係無く、ご自身の活動はマイペースに出来ていますか?

斉藤:半々ですかね。周りに求められるんだったら、自分もそんなに間を空ける気も無かったり。スタジオとかに入っているのが好きなので、何かしらツアーなり、レコーディングは、ずっとやっていたい質なんですよね。

――ツアーと言えば、今月5日のさいたま市文化センターを皮切りに、映画の舞台にもなっている大阪城ホールを経て、来年3月末まで全国ツアーが続きますが、ツアーや今後のリリースに向けて考えていることはありますか?

斉藤:ツアーは、楽しんでやれたらいいなという、特別に難しいことは考えていないですね。今後の曲にしても、その時その時に感じたことがそのまま曲になっていくんでしょうし、「こういう曲を作るぞー!」とか、そういう感じはないですね。

――では最後に、これから映画をご覧になる方へ向けて、斉藤さんが思う見所を紹介して下さい。

斉藤:ここの所自分の中で思うのは、清志郎さんの何が一番好きだったかというと、全てにおいて“ユーモアのセンス”だったと思うので、それを感じて欲しいのと。そこに秘めた、本当の音楽好きの、音楽バカのカッコ良さを喰らいやがれ!という感じですかね。


映画『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー 〜感度サイコー!!!〜』は、11月26日(土)梅田ブルク7、新宿バルト9ほか全国ロードショウ!!!


映画『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー 〜感度サイコー!!!〜』公式サイト

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