上野賢一郎厚生労働大臣の公式Xより

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医療費が高額となった場合に利用できる高額療養費制度で、1日に上限が引き上げられた。自己負担額が増加することになるため、SNSなどには反発の声が多く寄せられている。

社会保険料引き下げの困難 日本は「高福祉・高負担」と「低福祉・低負担」どちらを目指すべきか

病気やけがで医療費が高額になった際に、患者の自己負担額が大きくなりすぎるのを防ぐのが高額療養費制度だ。上限額を超えた場合、その超えた額が支給される。今回の改定での変更点は2点。1点目は、月の自己負担額の引き上げだ。上限額は年収に応じて決められているが、その上限額が4~7%引き上げられる。

2点目は、年間上限の新設だ。これまでは、1カ月単位の自己負担限度額を超えた場合に、超過分が払い戻される仕組みであったが、今回の改定により、月の自己負担限度額に達していなくても、年間上限額に到達していれば、年間上限額を超える負担は不要となる。ここでいう年間とは、8月1日~翌年の7月31日を指している。

高額療養費制度を見直すことになった理由は、公的医療保険制度の持続可能性の確保が背景にある。少子高齢化の進行によって、医療費は膨らみ続けている。制度を維持させていくためには、医療費の伸びや所得に応じて負担を求める必要があるためだ。

政府は、高額療養費制度の見直しに関するパブリックコメントで約5300件の意見が寄せられたことを明らかにしている。多くが制度に反対しており、上限額の引き上げによって受診控えを危惧する声などが相次いだ。

全国保険医団体連合会は2025年、公式サイトで「負担上限引き上げは治療中断に追い込む」「限度額引き上げは撤回し、すべての所得区分の限度額引き下げこそ実施すべき」などと反発。1日にはパブリックコメントにも言及し、「何のためのパブコメなのだろうか」「改めて高額療養費制度の見直しに抗議し、白紙撤回を求める」などと批判した。

今後の課題のひとつとして、受診控え対策が挙げられている。上野賢一郎厚生労働相は、今年3月に行った会見で「必要な受診が抑制されるということは想定していない」とコメント。一方で、患者の行動について「注視しなければいけない」とも話している。