OpenAIが政治的な障害を取り除くためにアメリカ政府に株式の5%を譲渡することを検討していることが、Financial Timesによって報じられました。OpenAIが2026年3月の資金調達ラウンドで設定した8520億ドル(約137兆円)の評価額に基づくと、5%の株式は約426億ドル(約6兆8000億円)に相当します。

OpenAI proposes handing Trump administration 5% stake

https://www.ft.com/content/7c803eab-8e80-4431-9a87-e943bf00e00b

OpenAI mulling giving US gov't a 5% stake in the company, days after Washington delayed GPT-5.6 - Altman reportedly wants every leading U.S. AI lab paying into an Alaska-style public fund | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/tech-industry/artificial-intelligence/openai-floats-5-percent-government-stake-days-after-washington-delayed-gpt-5-6

OpenAIは2026年6月26日に次世代大型モデルのGPT-5.6シリーズを発表しました。最上位モデルのGPT-5.6 SolはAnthropicの最高峰モデルであるClaude Mythos 5を超える性能を記録していますが、潜在的な安全保障問題への懸念から、トランプ政権がリリースを遅らせるように要請していることが報道されていました。結果としてGPT-5.6は「参加についてアメリカ政府と共有済みの少数の信頼できるパートナーグループ」を対象に限定プレビュー公開され、一般公開は数週間後と告知されています。

OpenAIが「GPT-5.6」シリーズを発表、Claude Mythos 5超えだがアメリカ政府の指示で限定プレビュー公開 - GIGAZINE



Financial TimesはOpenAIとアメリカ政府の協議内容を知る2人の関係者からの情報として「OpenAIのサム・アルトマンCEOがアメリカ政府に5%の株式を譲渡することを検討している」と報じました。OpenAIは2026年6月に新規株式公開(IPO)に向けた登録届出書の草案を証券取引委員会に提出したことを明かしており、最新の資金調達後の企業価値である8520億ドル(約137兆円)に基づくと、政府に譲渡される額は約426億ドル(約6兆8000億円)に相当します。なお、OpenAIの株式公開は2027年まで行われないと見られています。

関係者によると、アルトマンCEOはドナルド・トランプ大統領、ハワード・ルトニック商務長官、スコット・ベセント財務長官に対し、アメリカの主要AI開発企業全てが同じ割合の株式を拠出することを提案しているとのこと。これは、アラスカ州の石油収入から州民に毎年配当金を支払う「アラスカ永久基金」をモデルにしています。

2025年には、アメリカ政府が業績の低迷が続くIntelに89億ドル(約1兆4000億円)を出資し、Intel株を10%取得したことがわかりました。取引の2週間前にはIntelのリップ=ブー・タンCEOの即時辞任をドナルド・トランプ大統領が求めていましたが、取引に当たっては「Intelの高名なCEOであるリップ=ブー・タン氏と交渉した」とトランプ大統領は支持を表明しています。OpenAIも同様に、こういった政府支持を得るために株式譲渡を決定した可能性があると指摘されています。

アメリカ政府がIntel株の10%を取得、1兆3000億円を出資 - GIGAZINE



政府とOpenAIの間で行われている協議は初期段階の「概念的なもの」であり、合意の成立には議会の承認が必要になる可能性があると関係者は語りました。

関係者からの情報を得たFinancial TimesはOpenAIとホワイトハウスにコメントを求めましたが、両者とも回答しませんでした。