疲労回復にも効く豚肉を、プロの技で栄養たっぷり、おいしく食べる!【明日から使える プロの食材術 増補版】
使い勝手がよくおいしいことから食卓にもよくあがる豚肉。さらに、疲労回復効果もあることから、疲れやすい人やスポーツをする人におすすめの食材です。そんな豚肉を、栄養を逃さずにおいしく食べるにはどうしたらよいのでしょうか。
今回は『明日から使える プロの食材術 増補版』より、学術博士・栄養士の佐藤秀美さんに、豚肉の栄養成分や、栄養を生かす工夫を教えていただきます。
さらに、豚肉の個性を最大限まで引き出すプロの技を使ったレシピを、イタリア料理店オーナーシェフの高山いさ己さんにも伺いました。
佐藤秀美(さとう・ひでみ)
学術博士・栄養士。日本獣医生命科学大学客員教授。大学を卒業後、9年間電機メーカーで調理機器の研究開発に従事。その後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。専門は食物学。複数の大学で教鞭をとるかたわら、専門学校を卒業し、栄養士免許を取得。
豚肉
使い勝手のよさはピカイチ。ビタミンB₁が疲れた体の回復に効く 豚肉は身近でおいしい食材ですが、栄養価の高さも注目すべきポイントです。主な栄養素には、たんぱく質、亜鉛、ビタミンB₁、ビタミンB₂、ナイアシン、ビタミンB₆などがあります。
中でも特に豊富なのが、糖質の代謝を助け、疲労回復をサポートするビタミンB群です。特にビタミンB₁は、牛肉や鶏肉の脂肪が少ない部位と比べると、10倍以上含まれており、疲れやすい人や、スポーツをする人におすすめです。また、筋肉や肌の健康維持に欠かせないたんぱく質も豊富で、特にヒレやロースに多く含まれています。
スーパーの豚肉売り場を見てみると、同じ部位でも脂肪のつき方や肉の色に違いがありますが、一般的に脂肪が少ない部位や赤みが強い部位ほど、ビタミンB₁、ビタミンB₂、亜鉛、鉄が多く含まれています。
脂質の量は部位によって大きく異なり、ヒレやももは比較的脂質が少なく、バラ肉は脂質が多い部位です。
豚肉は調理法を工夫すると、さまざまな味わいが楽しめます。例えば、さっぱり食べたいときはしゃぶしゃぶや蒸し料理、肉のうまみを堪能したいときはポークソテーや豚カツ、やわらかさを楽しみたいときは角煮やポトフ、手軽に食べたいときはしょうが焼きや炒めものなど、バリエーションは無限大です。
栄養を生かすなら、ビタミンB₁を逃さない調理法を心がけたいところ。煮汁ごと食べられる豚汁やポトフは、ビタミンB₁を無駄なく摂取できる最適な料理といえるでしょう。脂質が気になる人は、ゆでる、蒸すといった調理法を取り入れるのがおすすめです。
下記の食材には、肉をやわらかくする作用があります。豚肉だけでなく、ほかの肉をやわらかくしたいときにも使えます。
たんぱく質分解酵素を含む
●しょうが ●まいたけ ● みそ ● 塩麹(こうじ) ● パパイヤ ● キウイ ● パイナップル ● なし ● メロン ● いちじく
肉を酸性にしてやわらかくする
● コーラ ●ビール ● 炭酸水 ●トマトケチャップ ● ヨーグルト
肉をアルカリ性にしてやわらかくする
● 重曹
このワザでプロの味
しょうが焼きの下味は漬けすぎに注意しょうがにはたんぱく質を分解する酵素が含まれており、豚肉を10~15分間ほど漬けるとやわらかくなります。しかし、それ以上漬けるとやわらかくなりすぎて肉特有のかみごたえがなくなってしまうため、漬ける時間が長くなりすぎないよう注意しましょう。
豚のハーブ塩麹(こうじ)揚げ
塩麹を塗ると、肉自体が抜群においしくなります。ほどよい塩けとうまみもつき、しっとりやわらかに。ミントの爽快な香りが不思議とご飯にあう一品です
教えてくれた人高山いさ己(たかやま・いさみ)
イタリア料理店オーナーシェフ。浅草の老舗焼肉店に生まれ、都内数店でシェフを務めたのち、イタリア料理やステーキ店などを開業。熟成肉を日本に広めたことでも知られる。
材料(2人分) 豚ロース肉(2㎝厚さ)……2枚
塩麹(市販)……大さじ3~4
ミントの葉……適量
オレガノ(乾)……適量
つけ合わせ※……適量
●揚げ油
※キャベツのせん切りなど、好みの野菜でよい。
つくり方 1 ミントの葉はみじん切りにする。豚肉は筋切りをし、塩麹を両面に塗る。さらにミントの葉とオレガノを両面にふり、30分間おく。
塩麹は全体に薄く、ふんわりと塗るのがコツ。肉にまんべんなく味がしみ込み、やわらかく仕上がります。ミントの代わりに青じそでもOK。
2 揚げ油を150℃に熱し、1を入れる。約4分間じっくり揚げ、網に取り出して2~3分間おく。器につけ合わせを盛り、食べやすく切った豚肉をのせる。
塩麹は焦げやすいので、低温の油でゆっくり火を通します。揚げ油は鍋底から4~5㎝入れると温度が下がりにくく、熱の対流もよいため、上下を返す必要はありません。150℃の油で、泳がすように揚げます。
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■構成・取材・文 川端浩湖、石出和香子
■撮影 豊田朋子、伊藤菜々子
■イラスト 小池ふみ
