Photo: 小野寺しんいち
※ボールの色は仮のものです

「Nape Pro」が、ついに、動いた…!!

Keychronとギズモードが共同で開発を進めている、小型トラックボールデバイス「Nape Pro」。

クラファン開始延期のお知らせでお騒がせしておりますが、理想の形に近づけるべく、両社メンバーを結集し、最終調整を重ねています。

そんな中、Keychronから待ちに待った一報が。

Nape Proの試作機、できました!

これは、行って確かめるしかない。ギズモードは10月、Napeシリーズの発起人である編集部の綱藤を中心に、中国にあるKeychron社に行ってきました。

一体どこまで開発進んでる? どんな機能がついた? そして気になる、その使い心地は? レポートしていきたいと思います。

中国イノベーションの中心地、深圳へ

やってきたのは、深圳。BYDやファーウェイ、テンセントなどの本社が集まる、中国屈指のハイテク都市です。

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香港経由で深圳へ。香港国際空港に到着した綱藤

綱藤、着いて早々ワクワクを隠しきれません。

Nape Proは、綱藤が個人開発した「Nape」のハイエンド機種。もうすぐ会えるぞ、わが子よ!

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Keychronオフィスへ移動中

深圳の街は、とにかくスケールがでかい。高層ビルが陸地目一杯に立ち並び、建設中のビルも多く見かけました。

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そして道行くのは、EV、EV、EV。そのためか交通量は多いのに、日本より静かなことに驚きました。

Keychronオフィスにやってきた!

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車から飛び出しそうな勢いの綱藤
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そして、深圳中心部から車を走らせること40分。いよいよKeychronのオフィスに到着です。

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Keychron CEO Nick Xuさん

出迎えてくれたのは、CEOのNick(以下ニック)さんです。東京ゲームショウぶり!

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さすがはキーボードメーカー。これまで生み出してきたキーボードが、ずらりと並びます。

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Keychronオフィス
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Keychronの工場も訪れた

オフィスをぐるりと見せてもらい、会議室へ。

そして、ついにその時が…!!

Nape Pro 試作機、登場!

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3Dプリント試作機。最終の質感とは異なります。

こちらが、Nape Proの試作機です!

Photo: 小野寺しんいち

こ、これは…やばい…!!

自然と漏れ出る興奮。綱藤の高鳴り、MAX!

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初代Nape(手前)と比較

東京ゲームショウのKeychronブースに展示していた製品モックとは違う、印字付きで、最新機能が追加された、実際に動くヤツです。

早速、触らせてもらいましょう。

新機能、ジョグダイヤル

Photo: 小野寺しんいち

まず目につくのは、なんといっても新パーツ、「ジョグダイヤル」。初代Napeにも、東京ゲームショウのモックにもなかった、新たに追加されたファンクションです。

クルクルと回転させ、ページをスクロールしたり、編集ツールのキャンバスを拡大・縮小したりといった、他のボタンにはない特殊な操作を可能にします。

高さと操作性の葛藤。こうしてダイヤルは採用されました

Photo: 小野寺しんいち

実はこのジョグダイヤル、導入決断の裏には、チームの熟考の物語がありました。

今回の試作機では、当初の予定よりもトラックボールの位置が、ほんの少し高くなっています。

というのも、ゲームショウでの発表後、展示したモックのボール位置では、実際の製品化は難しいことが判明したのです。

そこで、チームは2択を迫られました。

・ボールの位置を下げる代わりに本体の全長を長くするか

・それとも高さはほどほどにダイヤルを追加するか

本体を大きくすると、ボタンの間隔が広がり、片手で使う際の操作感が損なわれてしまいます。一方で、ダイヤルの追加はユーザーからの要望も多く、挑戦する価値があると感じられました。

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それでもNapeよりはかなり低くなっている

熟考の末、現構造を採用。

8方向に向きを変えて使えるというコンセプト上、ボールを低くしすぎると逆に使いづらい場面もあります。さらに、最近では左右分割キーボードをテンティングして使うスタイルも人気になりつつあり、その相性も考慮に入れました。

こんな経緯があったので、実際に試作機を手にしたときに、綱藤もやっと胸を撫で下ろすことができたのです。

6つになったボタン。押し心地にもこだわりアリ

Photo: 小野寺しんいち

入力ボタンの数も、Napeの3つから大幅進化し、6つになりました。

片側に2つ、もう片側に4つ。これで、さらに多彩なアクションを割り振れて、手元から繰り出せるようになっています。

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そして、「カチッカチッ」の、クリック感の気持ち良さよ。オリジナル版で使われていたキーボード用のキースイッチから一転、Proではすべてマイクロスイッチになりました。マウスの左右クリックをした時のあれです。

わずかな力で押せるし、ボタンの端を押すだけでも反応するので、操作性も向上しています。

Photo: 小野寺しんいち

6つのボタンから必要なアクションを起動し、ジョグダイヤルでスクロールしながら、トラックボールでカーソルを操作できる。すべてのパーツの相乗効果で、見違えるほど使いやすくなったと思います。

キーボードの下に置いて操作してもいいし、横に置いてもいい。マクロパッドとして使ってもOKですし、iPadやペンタブの横に置いて操作するのも便利でしょう。

どんなキーボード、デバイスとも仲良くなれる、素晴らしい製品になりそうです

綱藤

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お絵描きマクロパットとして使う場合を妄想中

8パターンどの配置でも、快適な操作感を実現

体験した個人的な感想ですが、"手の収まり"がドストライク。

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たとえばキーボードの右に置いてマウスみたいに使ったとします。左右に分かれた上部ボタンを中指と人差し指で、ダイヤルは中指で、トラックボールは人差し指で操作でき、下部ボタンは親指でカバーできちゃいます。この、手の中に多彩なアクションを包み込める安心感と全能感がたまりません。

Photo: 小野寺しんいち

そしてその感覚は、どんなレイアウトでも体感できます。キーボードの下に置いてすべて親指で操作しても、左手に持ち替えてマクロパッド的に使っても、わずかな手と指の動きだけで扱えるようにできています。

まさに絶妙なサイズ感とボタン配置の勝利。

Pro版Nape、ここにあり

自分のお気に入りのデバイスの可能性が、何倍にも広がる感じ。どのデバイスで、どんな使い方をしようか、考えるだけでワクワクしてきます。

総じて、まさにPro仕様のNapeになりました。

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もはや涙すら浮かぶ

なんか二人目が生まれたみたいな。産婦人科にいる気持ちです。

綱藤の口からついこんな言葉が出たのはここだけの秘密。

夜まで続いた会議。まとまった製品情報

Photo: 小野寺しんいち

その後、Keychronオフィスでは、たくさんの議論が行なわれました。

たとえば、ジョグダイヤルのクリック感。マウスのホイールなどを取り出し、言葉では伝えづらい感触の要望を丁寧に伝えました。

ボールの色は何がいいでしょう。工場が作れるかもポイントです。「こんな色が良さそう」という綱藤の要望に、ニックさんも即座に対応。すぐに工場へ電話をかけて、議論をどんどんと前へ進めます。

Photo: 小野寺しんいち

開発途中のNape Pro向け「Keychron Launcher」は、画面に映し出しながら、みんなで意見を出し合いました。

その他、素材、印字するロゴ、周辺アイテムは作れないかまで、会議室にカンヅメでぶっ通し。気づけば夜の21時を過ぎていました。

その結果、以下の項目が現在公開できる情報としてまとまりました!

・25mmトラックボールを採用。ボールは4色展開(New!!)

・ボール周りにスクロールなどが可能な回転リング

・Bluetooth、2.4GHz、有線の3種類の接続方式切り替えスイッチ搭載

・プログラマブルな6つのマイクロスイッチボタンを装備

・オープンソースのキーボード向けファームウェア「ZMK Firmware」を採用

・Webアプリ「Keychron Launcher」に対応

・PCに専用アプリをインストールすることなくキーマップの設定が可能で、設定はNape Pro本体に記録

・カラバリはブラック・ホワイトの2色

・射出成形の樹脂製ボディ

いよいよ製品開発も大詰めです。

クラウドファンディング開始は今月11月を予定しています。国を超え、参加メンバー一丸となり奔走していますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

【Nape Pro続報】新たな仕様。Keychron×ギズモードのトラックボール「Nape Pro」はもう少しお待ちを