記事のポイント
URBN傘下のFPムーブメントが売上200%超の成長を達成し、店舗拡大を加速している。
スノーボード選手ベア・キムの起用をはじめ、アスリートとの本物志向の提携を推進している。
ウィンタースポーツ市場への参入で新たな顧客層を開拓し、URBN全体の業績向上に貢献している。


フリーピープル(Free People)のアクティブウェアのサブブランドであるFPムーブメント(FP Movement)が、親会社URBNの主要な成長ドライバーとなっている。

FPムーブメントの売上高は前四半期に前年同期比で約30%増、既存店売上高は200%以上伸びた。

この成功に支えられ、FPムーブメントは成長と投資の段階にある。同ブランドは、前四半期にオープンした5店舗に加えて、今後1年間で25店舗を新規出店する計画だ。現在は56店舗を展開している。

FPムーブメントはマーケティングにも投資しており、多様なスポーツ分野から新たなアスリートブランドアンバサダーを起用している。

ブランドアンバサダー施策が成長を後押し



最近起用したのは18歳のスノーボード界の天才で、2026年冬季オリンピックの有力候補、ベア・キムだ。

キムは、FPムーブメントが2024年末にスキー製品カテゴリーをローンチして以降にブランドが契約した初のウィンタースポーツ選手だ。ホリデーショッピングシーズンに向けて、FPムーブメントはこの分野に特に力を入れている。

FPムーブメントはキムの唯一のスポーツウェアパートナーとなり、大会でのウェア提供や、冬季オリンピック期間中のマーケティングキャンペーンでのキム氏の起用を予定している。また、同ブランドはテニス選手のスローン・スティーブンやダニエル・コリンズとも提携している。

フリーピープルおよびFPムーブメントのCMO、ジャック・レイノルズ氏は次のように語る。

「キム氏との提携によって、パフォーマンスと目的の両方に価値を置くアスリートや消費者と信頼ある関係を築くとともに、ブランドの価値観にも沿うことができる。キム氏は、このブランドがスノーボードの世界へと踏み出す第一歩であり、我々は彼女との協業を開始し、スキーやスノーカテゴリーを含む当社の幅広い製品を紹介できることを楽しみにしている」。

FPムーブメントのブランドマーケティング担当マネージングディレクター、コートニー・ワートマン・ワイス氏は、ここ数年のブランドの成長に一部貢献しているのは、強力なアスリートアンバサダープログラムだと話す。

スティーブンスやコリンズなどのアスリートに加えて、インフルエンサーのエラ・ミラーといった非アスリートのアンバサダーは、ニューヨークマラソンや自社主催のランデイ(Run Day)を含む全国的なスポーツイベントとともに、FPムーブメントのマーケティング戦略の中核を形成してきた。

「本物のコラボ」がブランド価値を高める



クリエイティブエージェンシーのハリウッドブランデッド(Hollywood Branded)のCEO、ステイシー・ジョーンズ氏は、ブランドアンバサダーはオーガニックなつながりがある場合にもっとも効果を発揮すると指摘する。

たとえば、キムはパートナーシップが正式に決定する前から、すでにFPムーブメントのトラックパンツを愛用していた。

「彼女がすでにそのブランドを着用し、イベントに参加したり、自然に話題にしたりしているなら、それこそが成功するパートナーシップだ」とジョーンズ氏は言う。

「ファンは、本物のコラボレーションと取引的なものとの違いを感じ取る。もっとも賢いブランドは時間をかけてストーリーを構築し、彼女のライフスタイルや視点がブランドの世界観にどう適合するかを示す」。

ファッションブランドが注目するウィンタースポーツ市場



アパレルブランドにとって、ウィンタースポーツはますます魅力的な参入分野となっている。

3月にはJクルー(J.Crew)が、米国における両競技の統括団体である米国スキー&スノーボード連盟(U.S. Ski & Snowboard)の公式アパレルパートナーとして前例のない複数年契約を締結した。

そのほかのファッションブランドにおけるウィンタースポーツを対象とした最近の提携やコラボレーションには、イタリアのラグジュアリーストリートウェアブランドのアリーズ(Aries)や日本のストリートウェアブランドのネイバーフッド(Neighborhood)がある。

両ブランドとも10月、ウィンターブーツブランドのソレル(Sorel)とコラボレーションを実施している。

レイノルズ氏がGlossyに語ったところによれば、フリーピープルはブランド全体の成長計画の一環として、スノーボードなどのウィンタースポーツとの「結びつきを深めたい」と考えている。

ウィンタースポーツは米国でファン層を拡大しており、5600万人以上の米国人が2月の冬季オリンピック観戦を予定している。

実店舗展開と多角化で成長を加速



実店舗もFPムーブメントの主要な成長ベクトルとなり、今後数年間で北米に数百店舗を展開する可能性がある。

「FPムーブメントがここ数年で勢いを増しているを目の当たりにして、非常にうれしく思っている」とレイノルズ氏は述べた。

「我々は、近年人気が高まっているさまざまな形態の個人向けエクササイズの熱気を利用している。特にハイキング、コートスポーツ、ランニング、スタジオワークアウト、スキーに注力している」。

親会社URBN全体でも好調な業績



FPの親会社であるURBNは前四半期に売上高が11%増加し、利益は15%増となった。フリーピープルとヌーリー(Nuuly)は一貫して最高レベルの売上成長を達成している。

FPムーブメントを含むフリーピープルの前四半期の売上高は14%増、レンタルサービスであるヌーリーの売上高は53%増となっている。

「いずれも新しいブランドであるFPムーブメントとヌーリーは、2桁の驚異的な売上成長率を達成し、記録的な利益率となった」と、URBNの会長兼共同創業者であるディック・ヘイン氏は8月の第2四半期決算説明会で述べている。

「この成功は、堅調な消費者動向と優れたブランド展開に支えられているのだ」。

[原文:URBN’s FP Movement is focusing on winter sports to fuel its record growth]

DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida、編集:藏西隆介)