記事のポイント エスティローダーの2026年度第1四半期は純売上高が4%増の34億8千万ドル(約5400億円)で香水カテゴリーが14%増と成長を牽引した。 マックはセフォラ参入やTikTok Shop展開で巻き返しを狙う一方、メイクは1%減、スキンケアは3%増にとどまった。 Shopifyとの提携も発表し、D2C事業を強化。世界的なオムニチャネル化を加速させる方針を示した。


連続した売上低迷の四半期と、「ビューティー・リイマジンド(Beauty Reimagined)」再建計画の発表を経て、エスティローダー・カンパニーズ(The Estée Lauder Companies)は2026会計年度第1四半期に純売上高が4%増の34億8千万ドル(約5400億円)となったと発表した。

この成長の多くは、同社のフレグランスポートフォリオ(香水部門)によるもので、同部門の純売上は前年同期比で14%増を記録した。

同社は、ル ラボ(Le Labo)、フレデリック・マル(Frédéric Malle)、キリアン・パリ(Kilian Paris)といったブランドを含む香水カテゴリーの成長要因として、新たに14店舗の直営店を開設したこと、および「トム フォード ブラックオーキッド リザーブ(Tom Ford Black Orchid Reserve)」などの新製品投入を挙げている。

最高経営責任者(CEO)のステファン・ド・ラ・ファヴェリ(Stéphane de La Faverie)によると、ル ラボは「ほぼ3桁成長」を遂げたという。

「販売数量ベースでもっとも大きな動きが見られるのは香水カテゴリーであり、同時に革新的な製品が大量に流入した。適正な価格帯でのイノベーションを加速させており、小容量サイズの展開も増加しており、これが全体的な成長を牽引している」とド・ラ・ファヴェリ氏は語った。

メイクとヘアケアは減少、スキンケアは堅調



一方、コスメブランドのマック(Mac)による新キャンペーン展開にもかかわらず、同社のメイクアップ部門は純売上が1%減少。また、ヘアケア部門も7%減少した。ただし、同社最大のカテゴリーであるスキンケア部門は3%増加した。

なお、マックは2026年に米国のセフォラ(Sephora)店舗に参入する予定であり、これはブランドにとって重要なリテール拡大となる。また、同ブランドは5月にニコラ・フォルミケッティ氏をクリエイティブディレクターに迎え、7月にはTikTok Shopにも参入している。

TikTok Shopだけでなく、エスティローダーはほかのEコマース企業との提携も拡大している。たとえば、クリニーク(Clinique)とジ・オーディナリー(The Ordinary)をアマゾン・メキシコ(Amazon Mexico)で展開した。さらにド・ラ・ファヴェリ氏は、Eコマースプラットフォームのショッピファイ(Shopify)との提携も発表した。

「当社は2月に、世界最高の消費者中心型プレステージビューティー企業となるため、ビジネス領域においてサポート可能なパートナーとの連携を強化する方針を打ち出した。したがって今回、Shopifyとの新たなパートナーシップを発表できることを大変うれしく思う。段階的なアプローチでD2C事業を近代化・拡張し、世界規模で最高水準のオムニチャネル消費者体験を創出していく」と同氏は述べた。

米セフォラ進出でアメリカ地域の巻き返し狙う



マックの米セフォラ店舗での展開により、同社はメイクアップ部門およびアメリカ地域の売上回復をめざす。この地域では、エスティローダー全体の純売上が2%減少していた。一方、中国本土では純売上が9%増となっている。

しかしド・ラ・ファヴェリ氏は、地域単位ではなく、「グローバル全体での拡張」を目指す姿勢を強調した。「新しい販売チャネルを模索するだけでなく、既存チャネルをさらに深く掘り下げることにも注力しており、そうした取り組みを行っていない市場は存在しない」。

[原文:Thanks to double-digit fragrance growth, The Estée Lauder Companies reports optimistic outlook, announces Shopify partnership

Emily Jensen(翻訳・編集:島田涼平)