ウェスティン都ホテル京都での将棋・第72期王座戦五番勝負第3局の開始に向け、駒を並べる藤井聡太王座(右)と永瀬拓矢九段(日本将棋連盟提供)

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 将棋の藤井聡太王座=竜王、名人、王位、棋王、王将、棋聖との七冠=が30日、京都市の「ウェスティン都ホテル京都」で指された第72期王座戦五番勝負第3局で挑戦者の永瀬拓矢九段に逆転勝利し、3連勝で王座初防衛を達成した。

 10、11手目で角を交換し、戦型は3局連続の角換わりとなった。序盤はテンポよく進んだ。午後5時の夕食時まで形勢は互角を保っていたが、決断よく手を進める永瀬に対し、藤井は一手一手時間を使い、先に持ち時間を使い切ったのは藤井。

 きわどい玉回りの攻め合いが続いたが、一気に踏み込んだ藤井の攻撃に永瀬がうまく対応し、優勢を築いた。

 だが、両者秒読みに入っていた146手目永瀬玉の頭を攻めた藤井の勝負手に永瀬が対応を誤り、形勢は大逆転。形勢を示すAIの数値は永瀬優勢95%から一手で藤井100%に。永瀬は呆然(ぼうせん)とした様子でうつむいた。