ロシア、冬を前にウクライナのエネルギー施設攻撃 EU外相が警戒

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John Irish

[ニューヨーク 23日 ロイター] - 欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表は23日、ロシアは冬を前にウクライナのエネルギーインフラを破壊しようとしているとし、欧米諸国はウクライナの防空体制強化を支援すべきだと指摘した。

ボレル氏はニューヨークで記者団に「ロシアがウクライナを暗闇と寒さの中に陥れたいのは明らかだ。冬が近づいており、ロシアによるエネルギー施設への攻撃を受けてウクライナのエネルギー生産能力は3分の2に減少した」と語った。

2022年2月の侵攻以降、ウクライナのエネルギーインフラはロシアの標的とされ、計画停電や毎日数時間にわたる一部地域の電力供給制限が発生している。こうした攻撃は冬を前にここ数週間で激化している。

国際エネルギー機関(IEA)は先週発表した報告書で、ウクライナの今冬の電力供給不足は6ギガワットに達する可能性があると指摘した。これは予想されるピーク需要の約3分の1に相当する。

ボレル氏は「我々はウクライナに軍事力だけでなく電力生産能力も提供して支援しなければならない。さもなければ、この国は冬に非常に厳しい状況に直面することになるだろう」と語った。