米一戸建て住宅着工件数、8月15.8%増 ローン金利低下で

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[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省が18日に発表した8月の一戸建て住宅の着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比15.8%増の99万2000戸となった。

一戸建ての建設許可件数は2.8%増の96万7000戸。新築住宅の供給増を背景に建設許可件数の伸びが緩やかにとどまったことで、勢いが持続する可能性は低いとの見方も出ている。

7月の着工件数は85万7000戸と、前回発表の85万1000戸から上方修正された。7月の着工件数の減少はハリケーン「ベリル」が一因とされる。また、足元の住宅ローン金利は1年半ぶりの低水準にあり、18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融緩和サイクルが開始されると予想されることから、今後さらに低下する公算が大きい。

しかし、パンテオン・マクロエコノミクスのシニア米国エコノミスト、オリバー・アレン氏は「住宅建設業者は2023年の新築住宅販売のわずかな上昇に積極的に反応しすぎたようで、現在は過剰な在庫を抱えている。このため、今後数カ月に一戸建て住宅建設が再び落ち込む可能性が高い」と指摘した。

連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)のチーフエコノミスト、ダグ・ダンカン氏も「住宅ローン金利はここ数週間で大幅に低下したが、それに伴ってローン申請が増加したという証拠は見られず、消費者の住宅購入意欲も改善していない」と慎重な姿勢を示している。

一戸建て住宅の着工件数は地域別では、南部が18.9%、北東部が47.1%、中西部が11.6%、西部が2.8%、それぞれ増加した。

一戸建て住宅着工件数は前年同月比では5.2%増加した。

5戸以上の集合住宅の着工件数は前月比6.7%減の33万3000戸。

全体の住宅着工件数は9.6%増の135万6000戸。ロイターがまとめたエコノミスト予想は131万戸だった。

建設許可を受けたものの未着工となっている住宅は1.4%増の28万5000戸。このうち一戸建て住宅は2.8%増の14万8000戸と、2020年4月以来の高水準となった。

一戸建て住宅の完成件数は5.6%減の102万9000戸。全体では9.2%増の178万8000戸だった。