競泳日本勢最年長の五輪代表 鈴木聡美が佐賀国スポでV 地元九州で「雄姿見せられてよかった」競技への意欲さらに湧くベテランが掲げた目標とは
競泳の日本勢で史上最年長の五輪代表としてパリ五輪で活躍した鈴木聡美（33）＝ミキハウス、福岡県遠賀町出身＝が15日、佐賀市で開催された国民スポーツ大会（国スポ）に出場した。福岡県選手団の一員として出場した鈴木は成年女子100メートル平泳ぎで優勝。「九州でたくさんの方に応援していただき、元気をもらえた」と喜んだ。
自身3度目の五輪出場となったパリ五輪では200メートル平泳ぎで4位に入賞するなど、輝きを放った。大会後もトレーニングを継続し、九州での晴れ舞台でも応援に訪れた両親や地元のファンの前で同種目の第一人者としての泳ぎを披露。「みなさんに雄姿を見せられてよかった」と笑顔で話した。
地元の仲間やファンからの声援に後押しされ、鈴木が終盤に加速した。「最後の25メートルは福岡チームの皆さんの応援をエネルギーに変えて気合を入れた」。会心のレースではなかったが、序盤から先頭に立って逃げ切り、1分6秒64で優勝。「6秒9が目標だったので予想以上で驚いています」と笑みを見せた。
スタンドには両親が駆け付けた。パリにも応援に来ていたが、これまで仕事の都合で応援に来られなかったという父も訪れた。「楽しんでいる顔を見られて親孝行できているかなと思いました」と娘の顔に戻った。
競泳の日本勢で史上最年長の五輪代表として出場したパリ五輪では、200メートル平泳ぎで4位入賞を果たした。大会後には現役続行を宣言し、競技への意欲は燃え尽きるどころか、ますます燃え上がっている。
「五輪ではもっといけたという自信が湧いた。大会を区切りにするのではなく、自分の限界点が区切りになる。目標は日本記録を塗り替えたい」。10代の選手が活躍する水泳界で大ベテランの域に入る33歳の鈴木に限界点は見えていない。（前田泰子）
