15日の練習でランニングをするJ1福岡の前(左)と金森

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 J1アビスパ福岡の前寛之(29)が15日、長谷部茂利監督(53)の今季限りでの退任を受け、変わらぬ結束を強調した。柳田伸明強化部長が14日の町田戦後に明言したこともあり、雁の巣球技場(福岡市)で行われた公開練習後に取材対応した。

 2018年から2年間、J2水戸で長谷部監督に師事し、20年に一緒に福岡へ加入した前は「監督が来年変わるからといって、今いる監督は(長谷部)監督なので変わらない。今までやってきたことを今まで通りにやっていくだけだと思う。それぞれの思いは大事だし、監督交代が早めに決まったけど、それらも含めてポジティブに戦っていける集団でありたい」と語った。

 昨年はYBCルヴァン・カップを制して、クラブ初タイトルの喜びを分かち合った。シーズン中の早い時期に退任が明らかになったことについては「解任ではなく、シゲさん(長谷部監督)の決断があったと思う。チームに動揺はない。もともと不平不満のある選手が多いチームではないので」と変わらぬ一体感を強調した。

 14日の町田戦は0―3と完敗し、リーグ戦は9試合勝ちなしでホーム5連敗。試合後には久々にゴール裏のサポーターからブーイングが起き、ゲームキャプテンを務めた前はサポーターと意見交換。「みんなの声を聞き、一つになることが必要な時間だと思った。苦しい状況をどうにか打破していこうというポジティブな話。悔しい思いをしているのは一緒なので、現状をどうにか一つのきっかけで変えていけるように」と互いに前を向いた。

 9月の残り2試合は21日磐田戦、28日鳥栖戦と下位チームとアウェーで戦う。「(今季の残り8試合で)勝ち点を最大24点取れると捉えれば、まだまだ目標の6位以上を目指せるところにいる。今はそういうポジティブなエネルギーを持って次に挑みたい。残留争いには行きたくない」と次戦に目を向けた。