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訪れた温泉は約500湯、女ひとりで温泉を巡りまくっているという永井千晴さん。旅行情報誌編集部で働いた経験を活かし、現在は「温泉オタク会社員」としてブログなどで温泉情報を発信しています。その「温泉オタク会社員」こと永井さんが温泉の楽しみ方を紹介する当連載。今回のテーマは「お気に入りのワンピースとフラットパンプスで行こう」です。

【書影】永井さんおススメの温泉がこの一冊に!『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』

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お気に入りのワンピースとフラットパンプスで行こう

ひとりでどこかへ出かけるとき、あなたは「一軍を着る」派ですか、「二軍を着る」派ですか。

誰に会う予定もなく、買い物や用事を済ませるだけであれば、二軍で済ませてしまう人も少なくないでしょう。

かくいう私も、ひとり旅行は長らく「二軍」派でした。

なんなら旅先で捨ててきてしまおうか、ぐらいの。

何年も前に買ったスカートや、ポケポケと毛玉のついたニットなどをこさえて、誰にも見つからないように(誰にも見られていないのですが)ひっそりと過ごしていました。

お気に入りの服で自分を高める

しかしここ最近、一軍を着てひとりで温泉旅行したら、なんだやっぱりめちゃくちゃテンション上がるじゃん、と思い直したのです。

至極当たり前ですね。

お気に入りを着て、自分を高めていくの、ものすごーく大事だな、と気づきました。

お気に入りのワンピースとフラットパンプス。

なんだか京都のひとり歩き本に書いてありそうなふたつですが、温泉旅行にもぜひ連れていってあげてください。

温泉旅行に適した服装は?

温泉は「脱ぐ・着る」がいつもより多く発生します。

ほんのり汗ばんだお風呂上がりの状態で通気性の悪いパンツを穿(は)くのは宇宙一めんどくさいこと。


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特にジーンズはおすすめしません。

全体的に、なるべくさっと脱いでさっと着られるスタイルがよさそうです。

サロペットなんぞ着ていった日には、面倒で温泉が嫌になってしまいます。

パンプスは歩きやすく足に馴染んでいて、ヒールがなく、できるだけ濡れてもいい素材・価格のものを。

スニーカーでももちろんいいですが、パンプスでフォーマルさを残しておくのも悪くありません。

美しい旅館の敷居をまたぐとき、ちょっといいランチのお店に入るとき、厳かな寺社仏閣をのぞくとき、足元の私が「違和感ない」「変じゃない」のは、その後のテンションを大きく左右します。

「一軍」の服を選んだほうがいい理由

「一軍」を選んだほうがいい理由は、何より、旅行につきものなトラブルでへこんだ気持ちを励ましてくれるからです。

例えば、行きたかったお店が臨時休業していた、急に雨が降ってきて行きたいところに行けなかった、乗ろうと思っていた電車やバスが全然来なくて予定が狂った、ランチが全然おいしくなかった……云々。

あらゆるトラブルや悲劇は、ひとり旅行だといつも以上に気持ちが落ち込みます。

ひとりじゃなかったら、「しょうがないからあっちに行こうか」「雨が止むまでカフェでお喋りしようか」と相談したり、「ハズレだったね」と笑いあえたりするのですが、ひとりは本当にそういかない。

ただただ、次の動きを考えるために、スマホとにらめっこします。

そういう「あーもう来なきゃよかった」なんて喉まで出かかった言葉を、お気に入りの洋服は励ましてくれます。

悲劇やトラブルに遭った、二軍をまとった私。もう考えるだけでしんどい気持ちになりませんか。

でも、一軍なら、まあ今日の私はお気に入りだし、とほんのちょっとだけ、ごまかせます。

“最悪の状態”をひとつでも減らすこと。小さいけれど、大事なひとり旅行のコツです。

※本稿は、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。