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夏は積乱雲が発達しやすく、雷が多発します。急に空が暗くなり、ゴロゴロという雷鳴が聞こえ始めたら落雷を警戒しましょう。雷は人的被害だけでなく、建物やその周囲に落ちて「雷サージ」を発生させることもあります。雷接近の予兆と、被害を受けないために取るべき行動・対策をご紹介します。

【写真】屋外では要注意!人に落雷しやすい場所は?

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雷対策に有効なのは? 

<積乱雲が近づいてきたら>

雷雨をもたらす積乱雲が近づいてくると、「辺りが急に暗くなる」「雷鳴が聞こえる」「冷たい風が吹く」といった兆候が見られます。

開けた場所や高い場所では人に落ちる可能性が高まるため、積乱雲の接近を感じたら、ただちに身を守る行動をとりましょう。

落雷しても、建物や車の中にいれば比較的安全です。近くに避難できる場所がない場合は、最終手段として「雷しゃがみ」と呼ばれる体勢をとります。

<雷しゃがみのやり方>

(1)地面にしゃがむ。

(2)両足を閉じる。(近くに落雷して足元から電流が侵入した際、片足から上半身に伝わってしまうのを防ぐ)

(3)両耳をふさぐ。(落雷の音で鼓膜が破れるのを防ぐ)

(4)つま先立ちをする。(接地面積を小さくすることで、近くに落雷した際に地面から体に侵入する電流を最小限に抑える)

雷鳴が聞こえる間はいつ落雷が発生してもおかしくありません。屋外での活動を再開する際は、「最後の雷鳴から30分経過したタイミング」を目安にしてください。

<屋内では「雷サージ」に注意!>

雷サージとは、雷が電柱や地面に落ちることで一時的に発生する異常な電圧・電流のことです。これらは電話線や電源線などのケーブルをつたって屋内に侵入し、家電やパソコンを故障させてしまうことがあります。

雷鳴が聞こえ始めたらコンセントから電源プラグを抜き、雷サージの侵入経路を断つのが有効です。

とはいえ、雷が接近するたびに家中の機器のプラグを抜いてまわるのは大変手間がかかります。より手軽に対策するなら、家電量販店などで販売されている雷サージ対応の電源タップがおすすめです。雷サージによる高電圧の電気を吸収することで、機器を守ってくれます。

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気象庁が提供する「雷ナウキャスト」も確認を!

「雷ナウキャスト」は気象庁が提供する雷の予測情報です。雷の活動度を1〜4の4段階に分け、地図上に色付きで表示します。情報は10分ごとに更新され、10〜60分後までの予測が確認できます。

雷ナウキャストには、現在落雷が発生しているエリアだけでなく、今後落雷の可能性があるエリアも表示されます。

特に、天気予報で「大気の状態が不安定」という言葉が使われている日は雷が発生する可能性が高いため、外出前に雷ナウキャストを確認しておくとよいでしょう。

<雷ナウキャストで表される雷の活動度>

活動度1(雷可能性あり)…現在、雷は発生していないが、今後発生の可能性がある。

活動度2(雷あり)…雷光が見えたり雷鳴が聞こえたりする。落雷の可能性がある。

活動度3(やや激しい雷)…落雷がある。

活動度4(激しい雷)…落雷が多数発生している。

活動度1の段階では落雷の危険性は低いですが、今後の空や雷ナウキャストの情報に注意しておきましょう。ただ、周囲に避難できる場所がない場合には、この段階で早めに安全確保の行動を取っておくと安心です。

活動度2以上になると、落雷の危険性が高まります。屋外にいる場合は建物や車の中に避難してください。

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