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衣類に使われる繊維にはさまざまな種類があり、それぞれ「乾きやすいがシワになりやすい」「シワになりにくいが静電気を起こしやすい」など異なった特性を持ちます。本記事では、特によく使われている繊維に着目し、それぞれの特徴をご紹介します。

【写真】衣類に使われる繊維にはどんなものがある?

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主な天然繊維

天然繊維は自然由来の繊維で、原料によって「植物繊維」「動物繊維」「鉱物繊維」に分かれます。一般的に、衣類に使われるのは「植物繊維」と「動物繊維」の2種類です。

<植物繊維>

植物繊維とは、植物の茎や葉、種子などからとれた繊維のことです。一般的にはコットンとリネンがよく使われています。

・コットン(綿)

綿花から採れる柔らかな繊維。数ある繊維の中でも特によく使われるものです。

丈夫で吸湿性・通気性に優れているため、Tシャツやさまざまな衣類に採用されています。アイロンなどの熱に強い一方、水洗いによって縮みやすく、シワになりやすいのがデメリットです。

・リネン(麻)

亜麻(あま)科の植物から採れる繊維。吸湿性が高く乾きやすいため、春・夏向けの衣類によく使われます。

コットン同様シワになりやすいほか、色落ちしやすいのもデメリットです。

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<動物繊維>

動物の毛や繭から採取される繊維を動物繊維といいます。

・シルク(絹)

蚕の繭から採れる繊維。

つややかで肌触りもよいため、高級ブランド商品に使われる傾向があります。

デメリットは熱や摩擦に弱いことと、紫外線により黄色く変色してしまうことです。

・毛

ヒツジやヤギなどの動物の毛から採れる繊維。最も一般的なのはウール(ヒツジ)ですが、他にカシミヤ(カシミヤヤギ)、アルパカ、アンゴラ(アンゴラヤギまたはアンゴラウサギ)などもあります。いずれも保温性が高いため、秋・冬向けの素材です。

ウールやカシミヤは縮みやすい、アルパカはチクチクしやすい、アンゴラは毛が抜けやすい、といったデメリットがあります。

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主な化学繊維

化学繊維とは、人工的に作られた繊維のことです。製造方法によって「再生繊維」「半合成繊維」「合成繊維」の3つに分けられます。このうち、衣類によく使われるのは再生繊維と合成繊維です。

<再生繊維>

綿や木材などを溶かして作ったものを「再生繊維」といいます。

・レーヨン

木材パルプを原料とする繊維。

光沢感があり、吸湿性や保湿性、消臭性に優れています。

シワになりやすく乾きづらいのがデメリットです。

・キュプラ

綿を原料とする繊維。

吸放湿性に優れ、さらっとした着心地です。レーヨン同様に光沢感もあります。

シワになりやすいことや、摩擦に弱く羽毛立ちしやすいことなどがデメリットです。

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<合成繊維>

合成繊維は、主に石油を原料とする繊維です。軽くて丈夫な傾向にあります。

・ポリエステル

セーターやワイシャツ、スポーツウェアなどによく使われている繊維。

シワになりにくく乾きやすいので、コットン繊維に混紡することがよくあります。

においや汚れを吸着しやすく、こまめに洗濯する必要があるのがデメリットです。また静電気も起こしやすいので、洗濯する際は柔軟剤を使うとよいでしょう。

・ナイロン

耐久性が非常に高いことから、スポーツウェアやバッグなどによく使われている素材。水濡れに強く、乾きやすいのもメリットです。

一方熱には弱く、乾燥機やアイロンを使用すると変形してしまう恐れがあります。

・アクリル

保温性が高い冬向けの素材。セーターや靴下などに使われることが多くあります。

毛玉ができやすく、静電気も発生しやすいのがデメリットです。

・ポリウレタン

伸縮性に優れた丈夫な素材。アンダーウェアなどに使われるほか、靴のインソールやソファーの生地表面のコーティングなど、幅広い用途に使われています。

ただし、熱や紫外線、湿気、塩素に弱く、経年劣化しやすい素材です。

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