サラゴサ入団を決めた香川に地元紙も注目している。※クラブ公式ツイッターより

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 30歳の日本代表MFへの期待は、デビュー前から膨れ上がっている。

 現地時間8月9日、香川真司はスペイン2部のレアル・サラゴサ入りを決めた。ベジクタシュへの完全移籍も囁かれたなかで、かねてから熱望していた情熱の国でのプレーを選択したのだ。

 そんなドイツのブンデスリーガから2部へやってきた“ビッグネーム”に現地メディアも大いに注目している。地元紙『Heraldo』は、「カガワは黄金の日本人だ」と銘打った記事で次のように綴った。

レアル・サラゴサの新たなるスターは、アジアにおける商業面やメディアにおけるアイコンにもなる。この契約は、クラブのブランド的な拡大と新たなる市場の領域の拡大をもたらしてくれる」

 香川に大きな期待を寄せた同紙は、「サラゴサにとってパブロ・アイマール以来のビッグネームとなる彼の獲得は、単にサッカーの才能やクオリティーを見込んでのものではない」として、ビジネス面でも大きな利益をもたらす可能性を紹介した。

「シンジ・カガワの獲得はブランド力を見込んでのものでもある。米経済誌『Forbes』によれば、彼はアジアで1番の収入を得ているサッカー選手で、2012年のドルトムント移籍後から人気はうなぎ上りだ。ヨーロッパでの知名度は高く、愛想がよく、そして何よりもオープンな性格によって、複数の企業が彼をイメージキャラクターに起用するため、副収入も期待できる」

 さらに記事では、香川の持つ“力”を具体的に紹介している。

「インスタグラムとツイッターでのフォロワーはサラゴサのどの選手よりも多い160万人がついており、そのほかフェイスブックやLINEでも圧倒的なフォロワー数を叩き出している。また、5年前に彼がマンチェスター・ユナイテッドに在籍していた時には、テレビ放映権やチケットやグッズ販売などで、日本国内で2億2000万ユーロ(約275億円)もの経済的影響をもたらしたとされている」

 そして、こうも綴っている。

「マーケティング、スポンサーシップ、広告など、様々な分野で群を抜いている彼の登場は、サラゴサにとっても挑戦である。カガワは新しい市場をもたらし、ブランド力を拡大させることで、クラブをいまだかつてない領域へと導くだろう」

 ここ2012-13シーズンの降格以来、2部での生活が続いているサラゴサ。はたして、香川は、そんな古豪を浮上させる救世主となれるか――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部